02
「んん、そんな、大きいの……だめ、」
「え、何この子。どんな夢見てんの」
「……殺されそうになってたんですけどね、この子。それにしても先輩……いや6代目はわざわざ保護された女の子の様子なんか見に来てていいんですか?僕が見ときますけど」
第4次忍界大戦が終結してから、里の復興も進み俺が6代目火影となって幾分か日が経った時、ダンゾウ派の元暗部が里を抜け、砂隠れの里近辺の森の中にアジトを作り潜んでいるという事実が報告され、テンゾウ率いる忍達で編成したチームに拘束を要請し、無事任務成功したと報告をしに来たテンゾウから、もう一つ、その忍に襲われそうになっていた娘を保護し木の葉病院にて容体を見ている。と。
背中と頭に打撲の後が有り、そのせいで気絶したんだろうが、保護した日から丸三日が経とうとしている。
格好や体格から見て忍ではないだろうが、あんな森の、しかもダンゾウの配下に居た忍のアジト付近で一体何をしていたのか、直ぐにでも問いただしたかったが、当人は寝たきり。
まあ、寝言言ってるくらいだから大丈夫なんだろうけど、「大きいのはダメっ」て、一体どんな夢見てんのよ。
「いやまあ、俺もそんなに暇じゃないし、まだ目が覚めてない様ならすぐ戻ろうかと思ったけどね、こんな寝言言ってるんだし、叩き起こしてもいいんじゃない?」
「叩き起こすって……、一応参考人ですし、仮にも女の子ですから丁寧に扱った方が良いんじゃないですか?」
「なーんかさ、寝言からしてどうせやらしい夢でも見てるんじゃなーいの?いいでしょ、起こしても」
テンゾウの言葉を無視して、夢のせいなのか何なのか、苦しそうな表情を浮かべながらほんのり赤く染まった少女の頬に手を伸ばし、摘んでグイグイと引っ張る。
「おーい、起きなさいよ」
「ムニィ……ん……?」
まだ意識が朦朧としてるのか、頬を掴まれたままこちらをじっと見つめ疑問と言わんばかりの表情にグッと顔を近づけて、おはよう。と、両目を弓なりにして言う。
「お、はようございます?……え?!」
「!、おっと、君一応ね、参考人だから。動かないで、起きてすぐで悪いけど、質問に答えてくれる?」
ガバッと音がしそうなくらいの勢いで上半身を起こそうとした少女をなだめるようにそっと肩を押さえてまた寝かせる。
「まず、君はどこの里の子なのかな?」
「あ、え、えと、砂……砂隠れの里、です」
そこから何故あの森に、どういう経緯で、アジトの近くにいたのかを全て聞いた。
嘘をついているようにも思えないし、まあ、本当の事なんだろう。
それにしても、二十には満たないだろうが、十七、十八くらいか?そんな子が砂漠の波を追いかけて気づいたら迷子、ね……。
バカなのか天然なのか、なんなんだろうねえ。
「あ、……ああっ!」
「?!」
「あの、私、ここに来て何日か経ってたりしますか?!ていうかここどこですか?!」
突然起き上がり、もの凄い剣幕で聞いてくる少女に、火影である俺でさえも動揺してしまった。
「あ、ああ、四日は経ってるけど、それとここは木の葉の里だけど」
「こ?!木の葉?!よ、四日?!」
……なんなの。
横にいたテンゾウも俺に、よく分からない厄介な子ですね……と少しゲンナリした様な声で耳打ちしてくる。
いやいや、厄介な子を連れて来たのはお前デショ、どーも。なんて心の中で少しの愚痴を吐いた。