04
あれから随分経った。
私は結局、中忍試験本戦の予定日時を誰かに聞く事を忘れていて、見に行けなかったんだ。
でも見に行かなくて良かったかもしれない。
動物達からの噂でしか聞いていないけど、何やら砂隠れの里が木の葉を潰そうとして戦争になりかけたらしい。
しかもそれを目論み計画して砂隠れの里を騙し巻き込んだのが大蛇丸という人で、その人のせいで火影様が亡くなったという。
火影様はたまにこんな里外れにある私の家に足を運んでくれていた大好きな人だった。
お葬式に行った時、私が忍だったら火影様を守れたかもしれないのに、なんで私は忍じゃなかったんだろう、なんて思ったけど火影様は、親だったり先祖だったりが忍だからって無理に忍にならなくてもいいんだと以前言ってくれた事を思い出して、余計な考えはやめた。
我愛羅君一行が木の葉から砂へ戻る際、私の家をどこから聞いたのか訪ねて来た。
我愛羅君は最初に会った時とは雰囲気が違っていて、それはナルト君のお陰だと言っていた。
それから木の葉と砂は同盟国として互いに助け合う仲になっていて、合同で任務に出たりもしているらしい。
火影様も新しい人になり、里にとって大きな問題は今のところないようだ。
私の生活は木の葉崩し以前と特に変わらず、いつものように里外れで毎日を送っているが、ひとつだけ大きく変わった事がある。
「…たまには砂へも来てみないか」
「え〜、やだよ遠いし。てか我愛羅君、しょっちゅうウチに来てるけど、暇なの?」
「来てはいけないのか」
木の葉崩しの後、我愛羅君達が訪ねて来た時に、またいつでも遊びに来てよという私の一言で、我愛羅君はしょっちゅうウチへ来るようになった。
「いや、いけない事はないんだけどね」
別に私はいつも暇だから、来てくれても全然構わないんだけどさ、我愛羅君がウチへ来た時はどういうつもりなのか私に四六時中ピッタリとくっついてきて、もうゴロニャン状態なんだ。
外に薬草を取りに行く時も、ご飯を食べている時も、何をするにも常に肩が触れているくらいの距離にいる状態で。
いや、良いんだ、良いんだよ?良いんだけど。
我愛羅君だけならまだ、動きづらいけど大人しいから静かだし、苦じゃないんだけど。ここに来る様になったのはもう一人、
「名前ー!来たってばよー!」
「…ほら来た」
「んだよ我愛羅!また来てんのかよ!名前から離れろこのやろー!」
突然バン!と大きな音を立てて家の玄関が開いたと思ったら金髪の少年、ナルト君が入ってきた。
さっき食べた昼食の食器を洗っている私の横にピッタリくっついている我愛羅君を見るなり腕を引っ張って私から引き剥がそうとするナルト君。
「…相変わらず煩い奴だ」
「だー!うるせえ!お前は相変わらず目つきワリィな!名前に移るだろ!離れろってば!」
「もう分かったから、ナルト君はこっちに来たらいいじゃん」
我愛羅君がいる方とは反対側を指差してそう言えば、大人しくそちら側へ来る。
これでちょっと落ち着いたな、なんて思い我愛羅君とナルト君に挟まれながら洗い物を進めている間も、ナルト君は弾丸で喋り続けていて。
自来也様との修行がとか、綱手のばーちゃんがとか、嬉しそうに話してくる。
それとは対照的に洗い物をしている私の手元をジッと見ている我愛羅君。
兄弟が居たらこんな感じなのかな。って言っても私、この二人と同い年なんだけど。
「でさ!でさ!一楽が新メニュー出したんだってばよ!今日夜食べに行こうぜ!」
「お、なにそれ行きたい」
「だめだ。名前は今日俺と夕食を取るんだ」
「あ、そうだそうだ。お魚取りに行って食べようって言ってたよね」
「はあああ?!そんなのまた今度でいいだろー!一楽の新メニューは期間限定なんだってばよ!」
「先に約束を取り付けたのは俺だ」
あああああああ、また始まった。
キイイイ!と黄色い声をあげ怒るナルト君に、何でもないように反論する我愛羅君。
ああもう、なんでいつもいつも喧嘩ばっかりするんだ。助けてくれ誰か、とため息を吐きまあまあ、と二人を適当に宥める。
今まで一人でひっそり暮らしてきたのが、キツネとタヌキの登場により私の生活は賑やかになった。
ギャアギャアと煩い二人だけど、
ま、こんなのも楽しいもんだ。なんて思いながら、今日の夜はウチでラーメン作って三人で食べようと言った。
ずっと続けばいいな。
おわり
佐浦さまリクエストで尾獣をもつ二人に懐かれるヒロインちゃんでした〜!
中忍試験頃とリクエスト下さってたのに殆ど試験出てませんね…(土下座)
うおおすみません…!!
リクエストありがとうございました!