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「おー!久しぶりだってばよ!」

「わあ…相変わらずサンサンと降り注いでいる…」

「お前、訳分かんねえ事言ってねぇでちゃんと挨拶するじゃん」


どうも皆さんこんにちは。
今日は何故か木の葉の里へ、我愛羅君とカンクロウ君と来ています。
本当は昨日来る予定だったらしいんだけど、なんせ昨日は全身が倦怠感に襲われて雷車で長旅なんてそんな気分にはなれません、と拒否をしたら今日来る事になったんです。
それもこれも我愛羅君の所為です。

一昨日の晩から朝に掛けて、この狸野郎のせいで私の腰は破壊されました。ついでに腹筋も筋肉痛。声も風邪かな?というくらいカラカラで、木の葉の里に行くなんて到底無理、というか嫌だった。

シンキ君には木の葉行きを断った事について、義父上にあまり迷惑をかけるなと怒られ、カンクロウ君にはニヤニヤと殴りたくなるような表情で、お前等ついにやったのか…とストレートに言われ、散々な昨日だったんだけど、我愛羅君はなんであんなに普通なんだと、忍の体力を改めて痛感させられた。
体力バカだよあんなの。


「ナルト、日を改めて貰ってすまなかったな」

「いーのいーの!昨日やっとかねーといけねえ仕事もあったしな、丁度良かったってばよ」

「名前が体調を崩してしまってな。もう問題無いらしいんだが、」

「そうなのか?」


いや、体調崩したというか腰が崩れたんだけど。てかお前の所為だろうが狸。
と思ったのは内緒にして、大丈夫か?と素直に心配してくれるナルト君に大丈夫だと笑顔で答える。ああ癒される。


「では…、俺はナルトと話がある。カンクロウは名前をテマリの家まで送ってから戻って来てくれ」

「ああ、いいぜ」


てっきり私も交えて祝言の事でも話す為に来たんだとばかり思っていた私は首をかしげる。
え、私用事ないって事?なんで私はここまで来たんだ?と疑問に思うが、どうせ、私を一人砂へ置いておくのは不安だとか、そういった事なんだろうと解釈をして、行くぞと言って歩き出したカンクロウ君の後を追いかけた。




……

「………母ちゃんなら居ねえよ」

「まじかよ、なんで居ねえんだよ」


テマリちゃんの家に着いて、出迎えてくれたのはシカダイ君。
テマリちゃんに私のお守りでも、と思っていたんであろう我愛羅君とカンクロウ君の考えがシカダイ君の一言で打ち砕かれ、玄関先で立ち尽くす。

どうやら急な任務で、行かなくてはならなくなったらしい。
その任務を言いつけたのは火影であるナルト君だと思うんだが、ならどうして最初会った時に言わなかったんだろうと疑問が生まれた。


「…七代目から聞いてねえのか?」

「どうせ忘れてやがったんだろ。今頃お前の親父にドヤされてるじゃん」


なるほど忘れてたのか。ナルト君らしい。カンクロウ君の言うように、今頃シカマル君に、テマリは家に居ねえよとかなんとか言われて我愛羅君に謝ったりしてそうだ。
まあ居なけりゃ居ないでカンクロウ君と一緒に帰ってくるだろうとか我愛羅君は思ってるんだろうけど。
でもわざわざ私をテマリちゃんに預けてまでする話なんだから、私がいない方がいいのではと思い、舌打ちをしながら火影邸に戻るぞと言っているカンクロウ君を制してある提案をする。


「シカダイ君と一緒にいたらダメかな」

「…俺が我愛羅にドヤされるじゃん」

「いやいや我愛羅君には私から言うから。後で」


いや俺の意見は、と呟いているシカダイ君を無視して話を進めていると、突然玄関の扉が無作法に開けられ三者同時に其方を向いた。


「おーす、…あれ?カンクロウさん?と…あ!中忍試験ん時の変なねーちゃん!」

「お、ボルト。久しぶりじゃん」

「……変なねーちゃん…」


元気よく、といった感じで扉の向こうから現れたのは、中忍試験の時に廊下で寝てた私を起こしてくれま一人、ボルト君で。
変なねーちゃんとは失礼だなクソガキ。

久しぶり、と挨拶を交わしたカンクロウ君に相槌を打ちながら、シカダイ君に向かって行こーぜ!とこれまた大きな声で言ったボルト君だったが、シカダイ君は絶妙に空気を読んでくれ、今日は行けなくなったと返した。


「は?なんでだよ」

「いや、めんどくせーから察してくれよ。…この人、名前さんと一緒に居なきゃなんねえんだ。だから悪ィ、また今度、」


きっとこの二人はどこかに遊びにでも行く約束をしてたんだろう。空気を読んでくれたのは有難いが、折角の二人の約束を私の所為でダメにするのは申し訳ない。
行けないとシカダイ君に言われ、明らかに膨れているボルト君を見てから、そうだ!と一人閃く。


「どっか行く約束してたんなら、私も一緒に行っていい?」

「は?…俺は良いっすけど、我愛羅おじちゃんに怒ら、……」

「わーい!あ、ボルト君、ご一緒してもいいかな?」

「え?あ、ああ、別に構わなねえってばさ」

「…………ったく、めんどくせー」


全くもって名案だ。ボルト君とシカダイ君の約束もパアにならないし、私はシカダイ君とさえ一緒に居れば我愛羅君も納得するだろうし、ナルト君とも安心して話ができるだろう。

うんうん、と一人頷きながら今まで蚊帳の外だったカンクロウ君に、そういう事だからよろしく!と両手を合わせ上目遣いで見上げる。
どうだ、可愛くおねだりしてんだぞ。と心で思いながら、いいでしょ?とこれまた可愛く言ってみせたが、返ってきたのは呆れ顔。


「可愛くおねだりでもしてるつもりなんだろうが、そんなのは効かねえじゃん。…まあ我愛羅には言っといてやるよ」

「わーい!流石兄貴ィ!まあ我愛羅君には私からも後で言うから!じゃ、よろしく〜!」


ナルト君にも息子借りるよって言っといて〜!とカンクロウ君に向かって叫びながら、既に玄関を出て先を行っているボルト君を追いかける。
変な事すんじゃねーぞ!と言うカンクロウ君の声と、置いて行くなよ!と言うシカダイ君の声を受け流しながら砂隠れの里とは違う緑いっぱいの木の葉の街へと繰り出した。