03
次の日、昨日と同じように朝から火影室へ向かう。
昨日は夕方までナルト君のお手伝いをして、ちょうど様子を見に来てくれたシカマル君と一緒に少し早めの夕飯を食べに行った。
毎日毎日、元の世界では朝から晩まで仕事をする事に嫌気を感じていたのに、久しぶりだからだろうか、パソコンと睨めっこする事がなんだか楽しく感じた私は自然と火影室へ向かう足が浮き立つ。
「…今日はどこまで処理できるかなあ」
アレしてコレしてと、ブツブツ言いながら歩き、やっと火影室に辿り着くと、ナルト君がもう既に昨日の続きをしていた。
どれだけ未処理の書類を溜めこんでたんだ。
「おはようごございます」
「おお!早かったな!」
「なんだか久しぶりに仕事してるみたいで楽しくて。今日もササっとやっちゃいますね」
軽く会話をしながら、昨日と同じく火影が座る椅子へ直行。
パソコンの電源を入れ、昨日作ったフォルダを開いて作業開始。
今日は主に木の葉に所属している中忍と上忍の名簿作りだ。
何百もいる忍者達の名前だったり誕生日だったり、アカデミーをいつ卒業しかのかなんて事も記載してある。
それらを黙々とただパソコンに入力して行ってしばらく、時刻はお昼過ぎになっていて、ナルト君はやっと未処理の書類を片付けた様だった。
やっと終わったってばよ…とボソリ呟くナルト君に、お疲れ様ですと声をかけたところで、ゆっくり、丁寧に火影室の扉がコンコンと鳴った。
「失礼します」
「おお、イルカ先生」
「…!」
イ、イルカ先生…!!
ノック音の後、静かに開いた扉から出てきたのはまさかのイルカ先生で。
内心、ワー!とかキャー!とか言いつつも、表面は冷静に保ち、イルカ先生を見つめていると、少し首を傾げながら微笑まれた。
…す、素敵!
「七代目、そちらの方は、」
「ああ、我愛羅の知り合いで、まあ訳あって砂から俺の事を手伝いに来てくれてんだ」
「そうだったんですか。ナルトの手伝いなんて、遠いところからありがとうございます。俺はうみのイルカです。よろしく」
「わ、あ、はじめまして…!名前です!」
座ったままじゃいられない!と、椅子から腰を上げてイルカ先生の方まで駆け寄り、手を差し出すと快く握手をしてくれる。
うわあ、本物…!そして笑顔が優しい…!
お互い手を握って少しして、手を離しながら思い出したようにイルカ先生はそうだそうだ、と口走る。
「ナルト、この前渡したアカデミーに入学する新しい生徒の名簿、確認してくれたか?」
「…ん?!」
「………まさか、まだなんじゃないだろうな」
「あ、あ〜〜……か、確認はしたってばよ…えーっと、どこやったかな〜…あはは」
イルカ先生の問いに、苦笑いで返すナルト君。
それに対して呆れきった様子のイルカ先生は、まあそこまで急いでいないからまた来ると言って出て行こうとする。
またそうやって甘やかすといつまで経っても欲しい書類は手に入らないぞ。
というかイルカ先生が言ってた名簿、もしかして昨日辺りに私見た気がするけど。
「あ、イルカさん、待ってください。その名簿って、……これの事ですか?」
確か未処理の書類としてナルト君に確認してもらって、その後パソコンに入力した筈だから…。
書類の山から目当てのものを探すとやっぱりあった。私ったら記憶力いいわー。
見つけた名簿をイルカ先生に渡すと、これこれ!と喜んでくれて、そのままお礼を言いながらアカデミーに戻って行った。
「…助かったってばよ。お前、意外としっかりしてんだな」
「意外とって…顔面にパンチされたいんですか」
イルカ先生を見送って、執務室内で立ち尽くす私にナルト君からチャチャを入れられ、ジト目を送る。
本当にパンチするぞと思いつつも、続きやるか〜!と書類を再度見出したナルト君に続いて私もパソコンへと向かった。
その後はナルト君に私が作り上げたフォルダを見てもらう。
最重要フォルダだったり、忍達の名簿フォルダ、これから出てくる新しい情報も、ここに毎回きちんと入れれば、今までみたいに書類が山積みになる事もないですよと、細かく説明していった。
「ほ〜!すげえな!まじで!」
「分からなくなったらいつでも言ってください。我愛羅君伝いで電話でもいいし」
「おお!ありがとな!いや〜本当助かった!これで俺も休めるってばよ!」
「役に立てて良かったです」
……
それからはナルト君と一緒に残りの書類を全部データ化して、やっと私は砂へと帰った。が、毎日毎日、何回も私宛に電話がかかってきて、それはナルト君からのものが8割。
そして後の2割はイルカ先生だったりアカデミーの人で。
データを印刷するにはどこを押せばいいんだとか、電源がつかなくなったとか、それ私に聞く?みたいな事までわざわざ電話して聞いてくる。
いやいや、どんだけパソコンの扱い方知らないの?と困ったもんだ。
そして今日も、木の葉から電話がかかってくる。
「名前、今日もナルトから連絡があった。お前を火影側近の秘書にしたいそうだ」
「……え、何言ってんの無理でしょどう考えても」
「ああ。断っておいた」
「…あ、そうですか」
断ったんかい!というツッコミはあえて言わないでおくが、我愛羅君もちゃっかりしてるなあ。
暫くはこういった電話の嵐が続くんだろう。
そんなにパソコンの事が分からないならマニュアルでも作って渡してあげようかなと思った。
あ、でもめんどくさいしやめとこう。
おわり
mm様リクエストで、少し抜けているヒロインが現代社会人としてしっかりしているところを木の葉に見せつける。でした!
現代社会人といえばやっぱりパソコン!と言う事で、しっかりしてる所を見せつけられてるのか疑問ですが…!描いていて楽しかったです!
連載完結についてもコメントくださって、ありがとうございます!
これからもテンポ良く更新できたらなと思ってますので、また遊びに来てください〜!