02
「え?!サ、サスケ君?!」
低い声が聞こえた方へ、一同が振り返り、その人物に気づいたサクラちゃんが真っ先に声を上げた。
噂をすればなんとやら、というやつだろうかと思えてしまう程、なんていいタイミングで現れたんだと思うサスケェを驚きの表情で見つめていると、不意に視線が重なった。
「…確かお前は我愛羅んとこの、」
「あ、ああ!えっと名前です!祝言の時はどうもありがとうございました!」
「…ああ」
私は座っていて、サスケ君は勿論立っているから、自然と見下ろされる形になる。
少し目を細めて私を見下ろすサスケ君は、なんてイケメンなんだ。
少年の時は、いけ好かない奴ー!とか思いながら漫画を読んでたけど、大人になるとこうも色気が出てくるのかと感激してしまった。
…まあ色気ではイタチ兄さんには敵わないけどな。
「え、ていうかサスケ君、いつ帰ったの?」
「たった今だ。次の目的地までに木の葉の近くを通るもんだからな。寄ったんだ。そしたらナルトがここを教えてくれた」
ふおー、とサスケ君を見ながら間抜けな顔をしている私の横からサクラちゃんが乗り出して、サスケ君にいつ帰ったのかと聞く。
そして、たった今だと言うサスケ君に驚愕したのは私だけだろうか。
だって、たった今帰ってきて、ナルト君からサクラちゃんの居場所を聞いて、すっ飛んで来たって事?そういう事って思っていい?
ていうかそういう事だよね?
「……うわ、デレデレじゃん」
「…おい、何か言ったか、」
「へ!い、いえ!なんでもありません!」
やべ、思ってる事口に出しちゃってた。
サクラちゃんの方を向いて喋っていたサスケ君に再度見下ろされ、何も言ってませんと慌てて返答。
そんなやりとりをしていると、サスケ君を追っかけてきた様にして今度はナルト君、サイ君、そしてシカマル君までもが登場してきた。
なんだよ勢揃いかよ。
我愛羅君は……いないよね。当たり前だけど。
「サスケ、お前、はえーんだってばよ」
「お前が相変わらずノロマだからだろうが」
「んだとォォ!」
「おい、店で喧嘩すんなめんどくせえ。…テマリ、そろそろ帰んぞー」
おお、皆それぞれ自分の嫁を迎えに来たわけだな。
勢揃いで現れた男性陣に帰宅を促され、帰路につこうと各々席を立つ。
私はテマリちゃんに言われた通り、今日は奈良家に泊まらせてもらう事をシカマル君に告げると、快く了解をもらった。
そして何故か会計をする時、ナルト君一人が財布を開けているのが見えて、咄嗟に今日砂隠れを出る時我愛羅君に言われた事を思い出した。
「あ!今日は私が!」
「え?いやいや、良いんだってばよ。元々俺が出すって決まってたんだ」
「あ、いや、でも今日来る時に我愛羅君にお金渡されたんですよ、名前が世話になるから支払いは俺が。って」
そうだ。
実は今日ここへ来る時、まるでお小遣いを貰う小学生の如く「これを使え」とお金を渡されたんだった。
祝言に来てくれたお礼も兼ねて、と我愛羅君は言っていたし、だからここで出しとかなきゃと思い、遠慮するナルト君にそう告げる。
「我愛羅ってばそんな事言ってたのか〜」
「はい。なので我愛羅君からと思って、今日はお支払いします」
「まあ、そこまで言われちゃあな。我愛羅にもサンキューって言っといてくれってばよ!」
「はい」
先に出といてくださいとナルト君に言ってから、店員さんに幾らですかと尋ね、無事会計を済ませる。
そのあと、皆の後を追う様に店先に出て行くと、皆からありがとうとお礼を言われた。
…私が出したんじゃないんだけどね。
このお礼は帰ってから我愛羅君に伝えておこう。
「サクラ、帰るぞ」
「あ、うん!みんな、またね!名前もまた呼ぶから必ず来るのよ!」
店先に全員集合し、先陣を切って帰路に立とうとしたのはサスケ君。
サクラちゃんの手を引いて、無愛想に帰って行くが、私にはデレているようにしか見えなくて困った。
そんなサスケ君にサクラちゃんは当たり前の様に引っ付いていて、私は顔がニヤけるのを必死で我慢する。
「名前ちゃんは今日、テマリさんの所に泊まるの?」
「あ、はい。奈良家にお邪魔させてもらいます」
「そっか。じゃあ、私たちも帰ろうかナルト君。名前ちゃん今日は遠いところありがとう。また木の葉に来てね」
「いや、こちらこそ楽しかったです。おやすみなさい」
ニヤニヤを抑えつつも、サスケ君とサクラちゃんの後ろ姿を見送っていると、横からヒナタちゃんが声をかけてくれ、別れを告げるとナルト君とヒナタちゃんも寄り添いながら帰っていく。
今日は女子たち皆お酒が入ってるからなのか、甘えモードに見えるんだが、気のせいだろうか。萌える。
「さあ、僕たちも帰るよ。いのじんが待ってる」
「そうね。名前、あんた次の女子会までに我愛羅君とのネタ作っときなさいよ!」
「え?!ネ、ネタとは…なんの事でしょうか、」
「あーら、ここで言ってほしいの〜?我愛羅君と一発ヤッ、……」
「だあああああ!分かった!分かりましたから!黙って!お願い!頼むから!」
最後の夫婦、サイ君といのちゃんも、帰る様だったので、二人の方を向き別れを言おうとした瞬間、いのちゃんが爆弾発言をしてきた。
次の女子会までには我愛羅君と一発ヤッとけよと言おうとしてるのを感じて、それを遮ると、いのちゃんは高らかに笑いながら帰って行った。
「……」
次の女子会では一体何を聞かれるのか想像するだけでも顔面が青ざめてしまいそうだ。
恥ずかしい事をこれでもかと、色々聞かれるに違いない。
女子ってそういうの好きだもんね。仕方ないっちゃないけど、やっぱ恥ずかしいんですけど、なんて思いながらゲンナリしていると、シカマル君に肩を叩かれた。
「…お前、いのの標的になっちまったんだな。……ご愁傷様」
「いやいやシカマル君、その哀れみを含んだ目で見るのやめてくれません?」
「…あー、まあがんばれ」
「え?!いや、頑張れって何ぃいいい?!何を頑張ればいいの?!」
いのちゃんに話すネタを作るのを頑張ればいいのか?!そう言いたいのか?!
なんだってんだ皆して…。
「私達も帰ろう」
「ん?ああ、そうだな。名前、シカダイがお前来んの楽しみにしてんだよ」
「お、シカダイ君がですか。嬉しい」
完全に私を茶化してくるシカマル君に、ジト目を送っていると、テマリちゃんが少し赤い顔をしながら帰ろうと言う。
…その赤い顔は反則なんですけど姉貴い。なんて思ったのは内緒だ。
そしてまさかのシカダイ君が楽しみにしてくれていると言う事で内心ウキウキ状態になった私はいち早く帰ろうと二人に催促した。
そして次の日、砂へ帰った私は、誰がご丁寧に報告してくれたのかは知らないが、唐突に我愛羅君から「次の女子会までにネタを作っとけと言われたんだが」なんて聞かされた。
いやいやいやそれ言ってきたの誰だよ!とツッコミを入れる間も無く「ネタとはなんだ」「何を作っておけばいい」などと問い詰めてくる我愛羅君への対応に追われた。
女子とは恐ろしい生き物だ。
おわり
リア様リクエストで、祝言の時にあまり話せなかった木の葉の女子たちとお話!でした。
なんだか下品なお話になってしまってすみません…!いのちゃんは私の中ではこう言うキャラです…!
こんなのでよければ読んでいただけると嬉しいです!
連載完結についてのコメントもどうもありがとうございました!読んでてニヤニヤしちゃいました!
また遊びにきてくださいませー!