一家団欒プチ旅行 01

「おお!来たってばさ!おーい!」


雷車を降りて、緑が沢山の街の空気をいっぱい吸う。
久しぶりの木の葉の里。二年ぶりくらいだろうか、改札を潜ろうとした時、私にとってこの世界でできた最初の友達の声がして、そちらに視線を向けた。


「ボルト君ー!久しぶり!」


久しぶりに会えたことが嬉しくって思わず駆け寄る。
近づいて来た私に向かって手のひらをこちら向きに差し出して来たのを見て、ハイタッチ。
ああ、友達っぽい。
それにしてもボルト君、少し背が伸びたかななんて思っていると、向こうの方からボルト君より少し小さい女の子を釣れた女性が「ボルト」と声をあげながら近づいて来る。
ヒナタちゃんとヒマワリちゃんだ。


「母ちゃん、おせえよ!」

「もう、ボルトったら…、名前ちゃん、我愛羅君、お久しぶりです……あ、」


私に続いて改札をくぐって来ていた、我愛羅君とシンキ君を見据えて、ヒナタちゃんはあっと目を見開く。
その後「かわいい…」と呟いてから、かわいいの対象と一緒にいるシンキ君の方へと足を進めた。


「わあ…!ちっちゃい!」

「……さっきようやく眠ったところです」


ヒナタちゃんがかわいいと言っているのは、そう、私の娘。
祝言を挙げた後に発覚した妊娠で、無事産まれてから約一年、早いなあ。

そんな小さい娘を一番可愛がって離さないのはうちの息子、シンキ君で、今も抱っこ紐を着けて娘を抱っこしてくれている。顔はいつもの無表情だけど、すっかりお兄ちゃんだ。

すうすうと寝息を立てて眠っている娘に、ヒナタちゃんが近づいて、その後ヒマワリちゃんとボルト君も同じように近づき、娘のほっぺたをプニプニしてみたり、小さい手をソロリと触ってみたりしている。


「シンキ!お前の妹、めちゃかわいいってばさ!小せえしプニプニだしよ!」

「うずまきボルト、お前も兄だろう。もっと落ち着きを養え。そして大きな声を出すな」

「んだよ!おめーは落ち着きすぎなんだよ!」

「……静かにしろと言っている」


娘をヒナタちゃんとヒマワリちゃんに触らせている横で、ボルト君とシンキ君が喧嘩する声がおおきくなっていく。ああ、そんな大声出したら起きるぞ。折角寝たのに。
まあ起きて泣き出したとしても、シンキ君は宥めるのが上手だから、あんまり心配はいらないんだけど。
あれ、私より上手いってどういうこと。

それでもいつもシンキ君に任せっきりなのは申し訳ない、というかずっと抱っこしてもらうのも可哀想だし、シンキ君の抱っこしている娘をひょいと持ち上げた。


「まあまあ、二人とも。ほら、皆わざわざここまで迎えに来てくれたんだから、シンキ君も喧嘩売らないの」

「…」

「ごめんね名前ちゃん、うちのボルトが、」


娘を片手で抱きながら、ボルト君とシンキ君を宥めると、ヒナタちゃんがワタワタと慌てながら謝って来たので、いやあれはシンキ君が悪かったですよと笑いながら返す。

それでも本当にごめんねと頭を下げてから今だに小声で口喧嘩みたいなのをしているシンキ君とボルト君の元に行った。
……あ、ボルト君が怒られてる。

娘を我愛羅君に託して、私もボルト君達の方まで行こうと片足を上げた時、目の前に突然人影が現れた。


「!!!」

「よ!もう到着してたんだな!遅くなっちまってすまねえってばよ!………ん?どうした名前?」

「〜〜!…もう!ナルト君!びっくりさせないでくださいよー!心臓止まるかと思ったし!」


ニコニコと突然現れたナルト君に驚いてしまい固まっていると声をかけられたのでハッとする。
忍者ってなんでこう突然現れるかな!やめてよね!

カカカと笑いながらわりーわりーと謝ってくるナルト君に、横から娘を抱いた我愛羅君が「久しいな」と声をかける。
寝息を立てながら眠る娘をみたナルト君はおおー!と声を上げて、我愛羅君に両手を差し出した。


「おおー!ちっちぇー!いくつになった?」

「もうすぐ一歳です」

「そーかー!俺はうずまきナルトだってばよ!七代目火影やってんだ!」

「…………いやナルト君、自己紹介してもまだ分かんないですよ」


両手で大事そうに我が娘を抱えて、寝ている顔を覗き込みながら自分の名前を言うナルト君。
いやいや。火影やってんだ!とかキラキラ笑顔で言っても娘は寝てますけど。
というかまだ一歳にもなってないんですけど。


「…七代目火影様、」

「ん?おおシンキ、久しぶり!元気だったか?………ん?」


寝ているから当たり前なんだけど、返事をしない娘にずっと話しかけているナルト君を見ていると、シンキ君が寄って来て両手をナルト君に差し出している。
それに気づいたナルト君は一体なんの手なのか分からないようで疑問の目を向けるが、少しの間の後、「妹を、」と言ったシンキ君の言葉に娘を渡していた。

その後、すすすと我愛羅君の方にナルト君が寄って来て、こそっと耳打ち。


「…シンキの奴、すっかり兄貴してんなあ」

「ああ。産まれてからずっとああなんだ」



それから私たちは家族揃っての木の葉観光へ。
色々案内してくれると申し出てくれたナルト君一家のみんなと行動を共にした。
でもナルト君、いつも忙しそうなのに今日は大丈夫なのかな…