What’s it about? 主人公である「私」と、彼女の心の部屋の住人である「鶴」にまつわる短いお話をまとめたものです。



00 ある日、夢の中に現れた真っ白い神様は、「きみは俺が護ってやる」と私に言って、私の心を苦しめている何かを象徴する異形を切り裂いた。
 彼は度々、私の心の部屋を訪れた。そうして、兄のように、友だちのように、私の恋人のように振る舞った。
 彼は刀剣男士の鶴丸国永そのもののように見えるけれど、私の記憶と感情の一部を持って産まれたのだと言う。感覚と身体、そして心の部屋を共有する彼。ただの私の妄想かと思ったけれど、それにしては私の思考とは切り離されすぎていて、彼は彼自身の言葉を語る。
 だけれども、彼は私のこころの一部を持っているから、刀剣男士の鶴丸国永とは呼び難くて。それでも、彼を確固たる彼自身として見てあげたくて。
 私は神様から一文字貰って、彼を「鶴」と呼ぶことにした。



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