「どうした? そんなに慌てて」
「当たった!」
「当たった?」
「ミュージカル!」
「当たっ……ん……?」
「当たったの!」
「本当か!?」
「夢じゃない……!」
「良かったなあ、ひな……!」
「見に行けるよ……! ミュージカルの鶴丸国永、拝みに行けるよ……!」
「ひな、眼鏡を持っていくんだぜ。きみは目が悪いからなあ……あと、当日の前後は適当な理由をつけて仕事関連のことは全部ちゃあんと断るんだ。分かったかい?」
「ホテルや汽車や電車や新幹線の予約もしないとね!」
「夜行バスは使わないのかい?」
「弟に『相席になるからお姉ちゃんは特にやめておいたほうがいい』って言われた」
「そうか……うん、さすがは弟君。賢明な判断だ」
「ふふふ、楽しみだなあ〜!」
「ああ、楽しみだなあ……」