「なあに、つる」
「どうしてきみは律儀にこれを書き続けるんだ?」
「どうして、って?」
「正直に言うとだな……近頃、俺たちは互いに忙しくてあまり会えていないだろう」
「そうだねえ」
「それでもきみは何かを毎日記録している。いや、それを言えば俺もなんだが、俺もひなも書くことがないなんて日も、よくあるだろう? そういう日でも、きみは、俺に対する感情だったり、そのときの思ったことだったり、無理矢理何かを残そうとする。何故だ?」
「何故って……忘れたの?」
「忘れた? ……俺が? 何を?」
「つるとの約束だから」
「約束……?」
「そう。つるとの約束。つるのことを忘れないように、記録を残してる。つるが、私に忘れてほしくないって言ったから」
「……そうか」
「つる?」
「律儀だなあ……ひなは……」