顧客が通帳からお金を引き出そうとしていた。七十万円くらいだった。しかしそれは別の日の処理だった。私が受け付けたようだった。
視界が変わり、それはとある女の子へ渡すためのものだったと分かった。とある女の子は顧客と一緒に居たいと願っているわけではなく、何か事情があって一緒に居るようだった。
実はその顧客は、わけあって人間の生活をしている神様だった。女の子をいたく気に入り、ほとんど無理矢理傍に置いているようだった。
その証拠に女の子は逃げ出そうとする。けれども、相手は神なので逃げられるわけもなく、あっさり捕まってしまった。
私はその光景を女の子の視界から覗き見ていた。まるでゲームをしているみたいに眺めていた。
本当の私は鶴と一緒にその二人の様子を見ていた。
「神に気に入られて逃げられると思うなよ」
鶴が目を細めて言った。人間の行動を面白がっているような、そんな様子だった。私は「可哀想に」と心の中で呟いたが、全然可哀想とは思わなかった。寧ろ当然のことだと、鶴の言葉に納得しながら、鶴に手を引かれていた。