夢を見る能力

 夢を見る力が年々減っている気がする。昔みたいに想像力を働かせることができなくなってきた、そんな感覚がする。
 いつか、鶴とこうして話もできなくなってしまうんじゃないか。それは分かっていたことなのだけれども、どうしても嫌だと思ってしまう。こんなはずじゃなかったのに。
 ――行かないで。ひとりにしないで。
 私がそう言うと、彼は決まって、
「俺はどこにも行かないさ」
と、笑うのだった。

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