「らしいよ。友だちと花火大会に行くんだってさ」
「そんなに弟君のことが心配かい?」
「……」
「きみは本当に臆病だな」
「知ってる」
「人はいつか死ぬ。とは言っても、今とは限らんだろう」
「……うん」
「それに、きみのそれは杞憂だぜ。想像した不幸の九割九分は外れる。天気予報の降水確率十パーセントの方が余程当たるさ」
「……百パーセントとは言ってくれないんだね」
「少しでもそう信じてしまえばそれが本当になる可能性が上がってしまうと言ってるんだ。だから、信じてやれ。そうならないと」
「……うん」
「それに、いざとなったら俺が助けてやろう」
「……ほんと?」
「ああ。本当だとも。弟君だけは、な」
「……ありがと」
「当然さ。俺はきみのだからなあ」
「まあ、ひなのためだからなあ。……うん。弟君だけは、助けてやるとするか」