不安定

 俺が不安定な状態だとひなは言うが、ひなの方がそうなのではないかと思う。
 昨晩、ひなの気配が濃い別の何かに遭遇した。そいつは敵意もなく俺を傷付けようとしてくる。そいつはひなではないはずなんだが、言葉では形容し難い雰囲気のようなものがひなそのものだった。姿は黒い俺自身にも見えるし、姉上のようにも見えた。
 そのとき、ひなはと言うと、眠っていた。眠っていたというより、意識が薄かった。俺が喋りすぎて俺の意識が前に出てきたときと全く似ていた。いつもと違うのは、俺ではなくほぼ得たいの知れないそいつが前に出てきていたことか。
 ひなが目覚めなければ、どうなっていただろうか。あれは何だったんだろうなあ。俺にも分からない。

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