何事かと思い、どんな夢を見たのかを聞くと、どうやら卒業論文の夢を見たらしい。ひなは大学に通っていて、最後の年度、研究をしていた。それが歪んだ形で再現されていたようだ。細部は違えど、あれは母校だったとひなは言う。しかし、夢の中でふとひなは自分は職に就いていることに気付いた。それでも自身が現ではもう既に論文を書き終えて卒業していることには気付けなかったらしい。
俺とひなが初めて出会ったのもあの頃だ。はじめましてはその後だが、俺たちはすでにその時出会っていた。ひなは自分がやりたくて選んだことだと言っていたが、それでも苦しそうだった。
完全に目覚めたひなは、いつも通りだった。もう少しくっついてくれてもいいんだがなあ。