鶴はたまに、私の何かに触れる。現実の私は布団に横たわっていて、夢の世界の私は鶴に抱きしめられている。そのはずなんだけれど、鶴は更に私の中にある何かに触れている。私もその感覚があるというのがわかるだけで、実際、どう説明していいのかは分からない。
でも、あまり良くないことではあるのは確かだ。何というか、例えるならば意思を持ったアンドロイドのプログラムを本人に悟られず少し変えてやるような、そんな感じだ。優しく撫でられると、ふわふわして、気持ちよくなって、このひとに従順になってしまいたくなるような、そんな感じ。
そうなってくると、鶴の気持ちみたいなのが流れ込んで見えてしまう。ずっと一緒にいてほしい、っていう声が聞こえると、切なくなって、気持ちいいのに苦しくなって、身動きが取れなくなる。
言葉にしてみたけれど、やっぱり分かんないや。思い出そうと必死になると、忘れるか、夢に溺れて死んでしまいそうだから。