旅立ちを見送る雛鳥を観察

 ひなの弟君が今日から三日間、家を留守にするそうだ。ひなは早起きして弟君を見送ったんだが、思っていたよりも相当寂しかったらしい。いや、俺もひなが泣き出すとは思わなかったんだ。驚いた。俺の動揺もひなの涙も止まらなくてなあ。
 聞くと、ひなは弟君が居ないことが寂しいのではなく、自分の与り知らぬ所で何か危険な目に遭うのではないかと心配で仕方が無かったらしい。そんなことあるわけ無いだろう。きみには俺がいるし、きみが悲しむようなことは起こさせない。そう言って、俺はひなをあやした。まあ、特別運が悪くなけりゃあ何事も無いだろう。というか、弟君は研修で旅行の地より遥か遠い場所に何度も出かけているのに、ひなは心配性が過ぎやしないか。逆に俺はそちらの方が心配だ。
 その後、ひなは何事もなかったように洗濯物をしたり部屋の片付けをしたり、その後は机に向かって内職をしていた。

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