「なんだい、俺のひな」
「鬼丸国綱来ない、なぜ」
「……なぜだろうなあ」
「お前は鍛刀した和泉守兼定さんの数を覚えているか」
「……」
「目をそらすな」
「……」
「おっ、明石さん来た! 初明石にゃ!」
「ひな、猫の明石はまた別の明石だぜ」
「フォロワー夫婦のご利益かな? ところでつる、鬼丸国綱は?」
「……」
「目をそらすんじゃねえ」
「……いや、な、悪いとは思ってるんだぜ? 俺の力が及ばず、すまんなあ」
「貴様は溶かした依頼札の数を覚えているか」
「次で七〇連目……」
「えーん! たまに本気出したらこう! 何故! おかしい! 実装されてないな? されてないのでは?」
「鶴丸さん……また拗らせてる……」
「いつものやつだな」
「あれさ、主のために鬼丸呼びたい気持ちと、単純な嫉妬で呼びたくない気持ちと、忘れてる過去を回想の実装で思い出すのが嫌だしそれで主に嫌われたくない気持ちと、いろいろ入り混じってるよね」
「三日月のじいさんなら嬉々としてこの状況を喜びそうだ」
「わかる。目に浮かぶ。でも理不尽だと思わない?」
「何が」
「兼さんばっかりじゃん。俺、五振りしかダブってないんだけど?」
「それは……なんかこう……アレだ、アレ! おかしな連中を呼ばれて主殿に危険が及ぶよりマシだという『オレ』の本能が……」
「そんなだから主が『兼さんの幼女』になりたがるんじゃない? 意外と主に甘いよね」