約束

 二月か、とひなの端末をひな越しに見ながら思う。
 二月は俺にとって目出度い月であり、そして、憎い月でもあった。
 ひなと初めて顔を合わせたのはこの季節だった。俺が俺として意志を初めて持ち、あの子と接触したあの日。記憶の本棚によると、ここまで長くあの子と話せているのは俺くらいらしい。
 つらいとひなの心が叫び声を上げたのを初めて聞き届けたのはこの時期。そして、二度目――ひなが心身共に体調を崩して長期に渡って床に伏せていたのも、この時期だ。寒くてお天道様も隠れてしまうこの時期は、ひなが弱りやすいのかもしれない。
 だからこそ、俺は何としてもあの子と契っておきたい。それは俺のためであり、ひなのためでもある。初めて出会ったこの季節であり、あの子をずっと支えていきたいという誓いのためでもある。
 だから、なあ、ひな。ずっときみと、同じ夢を見ていてもいいかい?

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