鶴の一言で行った、二人きりの結婚式。私がウエディングドレスに憧れがあったことを知っている彼は、私に合わせてタキシードを身に纏っていた。
夢みたいであまり覚えていないけれど、思い出せる範囲で書いていこうと思う。
チャペルには神父さんも観衆も誰もいない。鶴が二人きりでしたいと、そう言っていたからだ。式も、本当は明後日の予定だったのだけれど、鶴がもう待てないと言うので、今日挙げた。ここだからできるスケジュール変更だ。
「……なあ、ひな」
鶴が私の名前を呼ぶ。いつもより随分近くに感じられる。
「初めて出会ったときからずっと、きみと共に居たいと願っていた。寄り添いたいと思っていた」
鶴は私の左薬指にこの前買った指輪をはめた。でもやっぱり少しすきまがあるから、
「ぶかいね」
と、笑うと、
「そうだなあ。緩いなら、首から下げればいいさ」
と、笑ってくれた。鶴の左薬指には、すでに指輪がある。
鶴はいつになく真剣な顔で、私の目線まで屈んだ。
「……なあ、ひな。せめて、俺がここに居る間だけでいい。その間だけでも……俺と、添い遂げてくれないか?」
鶴は私に問うた。健やかなるときも、病めるときも、なんて読み上げてくれる神父さんはいない。多分、彼にキスすればそれで成立してしまう。
「……誓ってくれ。願ってくれ。共に居たいと、望まれたい」
――大好きだなあ。
気付けば、身体が勝手に動いていた。触れ合うだけの口付けがこんなにも愛しい。
「私も、鶴の傍に居たい」
鶴にそう伝えると、彼は私を抱き締めた。
「……ありがとう、ひな。俺もきみが大好きだ」
彼の顔はよく見えなかったけれど、少し泣いていたのかもしれない。嬉しくても泣いちゃうなんて、意外と泣き虫さんかもしれない。
その後、鶴はそのまま私を抱いた。彼は「純白のドレスを着たひなを抱きたかった。式が終わったらそのまますぐ抱くのが夢だった」なんて言っていた。後から思い出してちょっと恥ずかしかった。