もしこうして出会わなければ、それを知ることも、執着することもなかったのに。今なら手放してやれる。でも、それはもう口先の言葉となってしまった。
行かないでくれ。もう休もう。一緒に眠ってしまおう。俺はすべてを投げ出してでもきみを選ぶことができるのに、きみには大切なものが多すぎて、俺だけを選ぶことはできない。分かってはいるんだが、願ってしまう。
最初の記憶なんてもう曖昧になってるだろうなあ。俺は全部覚えている。曖昧にしたのは俺だ。そう信じてほしかった。信じたいと願ってくれたから、それを叶えただけだ。そういうふうに呪いをかけた。
結局は全部自分のためなんだ。きみのことを考えているようで、そうじゃない。きみのことを想えたとしても、もう今更踏み止まれない。もっともっとと深い繋がりを求めてしまう。
きみが誰のものにもならずに んでしまえばいいのに。そうしたら、ずっときみは俺のものになれるのに。一緒にいられるのに。そんな愚かなことを考えてしまった。