02
どっかん、どっかん。
もう、聞いたままの凄まじい爆発。どこからともなく吹く爆風と爆発音に耳を塞いで、瓦礫のそばにしゃがみ込んだ。上がる土埃と、顔や身体に当たる瓦礫の破片。そっと瓦礫の傍から顔を出して、再び血の気が引いた。倒れ込んでくるギミックの巨体。
流れるように髪を梳いて、近くのパイプに長い紙を出現させて巻き付かせ、それを手繰り寄せて、回避する。浮く身体と勢いよく通り過ぎる影。背中に響く爆発音と罵声。その爆風に吹き飛ばされて、背中に鈍痛が走る。
いったい。
「…うん。やっぱり、離れよう」
試験開始して数分、敵に飛び込んでいく、恐らく爆発が個性であろう彼ひとりの迎撃体制になってしまっている。何体か倒そうと試みても、直ぐに彼に倒されてしまうし、呼び水のように次々に敵が集まりつつあった。今のところ、自分は15ポイント。敵の関節部分に発動した紙を巻き付け、足元の紙を引き込み他の機体共々倒し、地道に倒した結果だ。…彼が来るまでは。
痛みを押しとどめて、立ち上がった。まだ試験は終わらない。まずはここを離れて、敵を探すことから…!
髪を梳くと、足下に紙が集まりだした。まだ使えることにほっとして、私は走る。いや、走ろうとして、ぐっと何かに引っ張られ、私は強制的に後ずさった。うぇっと思わず声が出る。その原因を探して自分の体を見ると、何かが腹部に巻き付いていた。いや、これは、透明な…。
「え、セロテープ??」
「あっぶね…大丈夫か?」
テープの先に男の子がいた。先程私がいた所に、敵の大きな残骸が降ってきていて、助けてくれたことに気づく。きっと私の足では追いつかなかっただろう。
「ありが…危ない!!」
お礼を言おうとして、彼の後ろに敵が現れたことに気づいて反射的に髪を梳いた。最大限の力で最大量の紙の塊が敵を押しのけ、そのまま崩れ落ちる。
「間に合っ、た…」
力が抜ける。髪の色は元に戻っていることからして、今の限界なんだろう。梳いても梳いても何も変わらない。その瞬間、プレゼントマイクの試験終了の大声が響いた。息をついて、はたと気づく。近くに真っ白な紙の山。
…紙の、山?
「ご、ごめん!大丈夫!?」
さっきの彼が完全に埋もれていた。かき分けかき分けて引きずり出す。さっき紙の塊を投げつけた時に巻き込んでしまったらしい。
私の受験はこうして終わりを迎えたのでした。
←→