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「増田美雨ちゃんね、お兄ちゃんと2人暮らしなんだって」

『……ふーん、情報早いね』

「肉食だから、俺。」


手越がライバルだなんて、最悪だ。

こんなやつが相手じゃ敵わないや、
失恋するのかな、なんて思っていた時


「手越くん、小山さん、おはよう!」


後ろから聞こえたその声に振り向くと


「あ、美雨ちゃん、おはよ」

『……え?俺の名前…』

「あ、そういえば 小山さんは初めましてですよね
よろしくね、増田美雨です」


なんてにっこり微笑んだ


『よ、よろしく……』


嬉しくて、信じられなくて
"おはよう"を言い逃してしまった




「美雨ちゃんおはよう!」

「あ、愛ちゃんおはよー」


友達が来てしまい、口を噤む。


「慶ちゃん、顔顔」

『……っえ、どんな顔してた?』

「驚いてるようなニヤついてるような気持ち悪い顔」

『気持ち悪いって……ひどい…
だって俺の名前知ってたんだよ?!
嬉しいじゃん。』

「俺昨日話しかけた時さ"あ、手越くん"ってすんなり言われたのよ
多分みんなの名前覚えてんだよ」

『…………すっげぇ……』



馬鹿みたいに自惚れちゃった。
でも、みんなの名前覚えるなんてすご……





______
____





入学式から数日後


友達と話している彼女に話しかける


『美雨ちゃん、』

「あ、小山さん。」

『えっと……その…"小山さん"じゃなくて"小山くん"とかの方が嬉しいかなぁ…(笑)』

「…………はい、小山くん。」

「あの、」


隣にいたお友達。


『ん?』

「あの、私……松田愛っていいます、」

『あいちゃん、』

「私も小山くんって呼んでも……いい?」

『え、あ、あぁ!うん!全然いいよ!』

「2人とも私の友達だからね!仲良くしよう!!」


嬉しそうにはしゃぐ美雨ちゃん。




あぁ、かわい…「慶ちゃんずるぅーい!」


……くそ、来やがったか…


「え、えっと……」


もう……愛ちゃんが戸惑ってるじゃん


「あ、この人は…「手越祐也です!」


美雨ちゃんの言葉を遮る手越。


「あ、は、はい……」

「愛ちゃんだよね?よろしくね〜{emj_ip_0177}」


ってアイドルスマイルをばら撒く。


「て、手越くん…うん、よろしくね。」

美雨ちゃんと愛ちゃんと手越と俺。

……なんだかこの4人で仲良くなれそう。
そんな気がした。






______
____




ある日突然
手越が


「なぁ、おべんと4人で食べようよ」

と言い出した。

もちろん俺はありがたいけど……
ちらっと二人を見ると

顔を合わせて頷いていて

「うん!いいね!」

って賛成してくれた。


『このメンバーでお昼ご飯ねぇ…』

「いいね、楽しそう{emj_ip_0177}」


これから毎日、お昼休みが楽しみだ。





______
____




「慶ちゃんの卵焼きもーらいっ」

『あっ!あぁぁぁ……』

「ふふ、私の…いる?(笑)」

『えっ!あ、ありがと…』


優しい美雨ちゃん。
やっぱ、好きだなぁ……なんて。


『ん、んっま!!!!』

「えへへ〜、ありがとう{emj_ip_0177}」

「あ、美雨ちゃんのお弁当美味しそうだね〜」

「ほんと?ありがと{emj_ip_0177}
お兄ちゃんが作ってくれるんだ〜{emj_ip_0177}」


なんて平和な昼休み。





……

そういえば、

4人で一緒に行動するようになって
ふと思った。

愛ちゃんのこと。

彼女は多分……


「あの、小山くん。ちょっといいかな?」


屋上から教室へ帰るとき、愛ちゃんにそう言われ
人気のないところへ連れてこられた。




……

少し、真面目な顔をして俯く彼女。

…もしかして……






「あのね、私……


手越くんのこと…」

『ふふ、やっぱりね。
うん、わかってたよ?』

「……え?!本当?!」


ぶわっとわかりやすく頬を染めて照れる。


『……でも、手越は…』

「うん、知ってるよ。分かってる。」

『……そっ、か』

「というか小山くんもでしょ?(笑)」


俺もバレてたのね〜……


『……ハイ』

「お互いに、ね……
うまくいってほしくないよね…(笑)」




『……そうだね、2人で頑張ろうね(笑)』


"あ、そうだ"


「そろそろ呼び方変えたいなって思って」

『もう入学して一ヶ月だもんね〜

なんて呼ぶ?
小山?慶一郎?(笑)』

「……手越くんが、"慶ちゃん"って呼んでるから……」

『あぁ、いいよ。慶ちゃんで』


これで手越が嫉妬してくれればな〜……


「慶ちゃんっ」

『愛……ちゃん(笑)』

「呼び捨てでいいのに〜」

『頑張ります……』





______
____



「あ!慶ちゃん!手越くん!
おはよう!!」


愛ちゃ………じゃなくて 愛が大きな声で俺たち二人に挨拶してくれる


「……え?慶ちゃん?」


手越が不思議そうな目で俺と愛を交互に見つめ


『うん、そうなの。』

「いつの間にそんなに仲良く…」


なにかブツブツ言ってる…(笑)


「……私も慶ちゃんって呼んでも、いい?」


って美雨ちゃんが……!!


『うぇ?!え、あっ、うん、いいよ?!』

「やった、慶ちゃんっ、おはよう!」

『……俺も、美雨って呼んでも…』

「ふふ、いいよ。」

なんて、ニコッと笑う。





「えー!慶ちゃんばっかずるぅーい!!
俺も勝手に美雨と愛って呼ぶもんねー!!!」


手越のその宣言に
愛が赤くなっちゃって。


「うわ、愛真っ赤(笑)
ふふ、かわいい」

「う、うっさいよ!ゆ、……祐也くん!」


愛の仕返しに今度は手越が真っ赤になって


「ゆ、うや……?」


口元を押さえる。

……これはいい感じなんじゃないですかね{emj_ip_0177}


『俺も祐也って呼ぼうかな〜』

「やめて、愛だけで充分だから。」


美雨もクスッと笑ってる。
……愛の気持ちを知ってるのかな??






コソッと彼女と内緒話。

『ねぇ、美雨は知ってるの?

「……何を??」

『愛の好きな人』

「……スキナヒト…何?」

『…え?好きな人は好きな人だよ』

「スキ………………あぁ、恋ってこと??」

『うん、そうそう』

「恋って甘酸っぱくて、胸が苦しくなったりドキドキしたりするやつだよね?」

『う、んそうだけど……(笑)』


恋、したことないのかな?



______



美雨side



『初恋、まだなの?』


初恋……そんなの私には関係の無いこと


「……そう、だね。
私にはあんまり関係の無いことだから…」

『……関係、無い…?』


…彼が驚いてる
……どうしよう


「ううん、気にしないで!」

「2人して何の話してんだー!」


……テゴシが間に入ってきてなんとか助かった。


『ないしょー!』


って走り回る2人。
…………きちんと、確認する。

…………うん、何も感じない。気付いてなさそう。
言動には気をつけるようにしないと。


怒られちゃう…

_______加藤先生に







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