1話
私には、彼がいます。
いきなり自慢になっちゃうけど……(笑)
『おーい!〇〇〜!』
早速私の名前を大きな声で叫んで、遠くの方から手を振っている。
「シゲ!!」
待ち合わせ場所の噴水の前で合流。
彼の名前は 加藤シゲアキ。
『珍しく遅刻してねぇじゃん(笑)』
「私だってたまには時間通りに来ます〜」
『ふはっ(笑)そーですか(笑)』
"ん、行こ"
って伸ばされた手を取り
彼の隣を並んで歩く。
こんな幸せ、他にないよ。
私は
シゲアキがいれば充分、なんだよ。
『今幸せって思った?』
「へっ?!どーしてわかるの?!(笑)」
『なんか、手から伝わってきた』
なんて嬉しそうに目を細めて笑う。
その笑顔も仕草も好き。
「うん、幸せだよ。大好き。」
前髪をぐしゃっとさせた君は
『…〜〜ずっりぃなぁ……』
前髪の隙間から私を横目でちらりと見て
"今すぐ抱きしめたい"
と呟いた。
「じゃあ、ショッピングはやめてシゲの家……行きたいな…」
……なんて、わがまま
『可愛すぎんだろ…』
なんて、彼の顔は真っ赤。
私たちの目的地は、
シゲの家へ変更となった。
「おじゃましまーす」
『んー、』
「お腹すいたね、お昼何も食べてないから」
『久々に2人で作ろうか』
冷蔵庫を開くと
綺麗に並べられた調味料や
細かく分けられた野菜たち。
「相変わらずだねぇ」
『普通だろ、』
何作ろうかな〜…
「ねぇ、オムライスにしよう?」
『…………ケチャップで何も書かない?』
「書いちゃダメなの?」
『……うーん…………』
「人参は星にしない(笑)」
『ならよし』
うんうん、と頷いてにっこり微笑む。
子供みたい。
手際よく具材を切り、炒めて…
「あ〜〜卵がうまくいかない……」
『卵の真ん中にケチャップライスを置いて、
奥と手前をちょっと返して…
お皿を持ってパタン!』
見事、テレビで見るような綺麗なオムレツ型に。
「すっご〜……」
『これはお前のな、
俺のは〜……♪』
少し嬉しそうに卵をフライパンへ入れ、
ぐるぐるかきまぜ……
「なにそれ、オムレツじゃん。」
『うっせー、黙って見てろ!』
ケチャップライスの上に……オムレツ。
包丁を取り出してきて、真ん中に切り込みを入れると…
「うわ!とろとろ!!美味しそ〜{emj_ip_0092}」
『へっへ、この前練習したんだ』
「……すっごい美味しそうだね{emj_ip_0177}」
『……だろ』
ぎくっ、としたような顔を浮かべるシゲ。
「食べたいなぁ……{emj_ip_0177}」
『〇〇は、こっちあるだろ』
「とろとろオムライス…{emj_ip_0092}」
はぁ、とため息をついたかと思えば
"もー!仕方ねえな!!"
って交換してくれた。
「やったぁ!大好き!!」
『大好き大好きうるせぇよ』
「いただきまーす!」
『ん、はい』
「んっ、んま〜{emj_ip_0177}{emj_ip_0177}」
『俺にもちょーだい』
「えー もう……はい、あーん{emj_ip_0177}」
"あーん"という行為に
ちょっと抵抗するかと思ったのに
平気な顔でパクッと食いつくから
「……っ、」
『んー、うまいうまい……ってなんで赤くなってんの?(笑)』
「あーん を受け入れるとは……」
『あ、〇〇が作った方もうまい』
「シゲが巻いたけどね」
『でもうまいよ、あーん』
……
「ん。ほんとだ、美味しい」
『……あーんって、照れるんだな…』
ってはにかんで笑った。
本当に本当に、幸せだった。
なのに
それは突然崩れ去ったんだ。
あなたの
『もう、別れよう』
の言葉一つで。
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