2話
理解が、できなかった。
「…………え?何、言ってんの?」
『そのまんまだよ、別れたいんだ。』
嘘をついている雰囲気でもない
「ど、してっ……?」
『…疲れたんだよ、お前といるの』
それに
ちっとも、目を合わせてくれない。
「ねぇ、しげっ…こっち見て……」
『もう、終わりにしよう?』
初めて見た、彼の
切なそうな、悲しそうな笑顔。
私、彼をこんなにさせるまで…気付けなかったの……?
無理して笑わせるほど
嫌われちゃったの?
「……ご、ごめん…なさっ…」
『…………ごめんな』
____バタン
私の、大好きな彼が
行ってしまった。
今なら……間に合う?
追いかける………?
「……そ、んな」
最後のシゲの、
今にも泣きそうな 眉間に皺のよったあの顔。
「そんな顔……しなくてもっ、」
彼によって
閉じられたドアは
重く、暗く見えた。
もう二度と、光が差し込まないような。
______
____
「……し、げっ…しげぇ……っ、うぅ…」
心がボロボロのまま外へ出た。
「…し、げあき………いや、っ、」
周りの視線が痛いけれど
涙はとどまることを知らなかった。
拭っても拭ってもどんどん溢れてくる
すると、
突然現れたのは
『……お姉さん、大丈夫?』
長身で細身の
茶髪の男性。
あぁ、この人でいいか
なんて最低なことを考えた私。
「……ねぇ、お兄さん」
『はい?大丈夫?』
誰か私の心に空いた穴を埋めて。
「お兄さん」
「今すぐに」
「抱いて」
______
____
ベッドの下に散らばった服
隣には名前も知らない男の人。
「私……何やってんだっ…」
シゲに捨てられてヤケになって
見ず知らずの人に抱かれるなんて
「……っ、…馬鹿みたい…」
涙は、まだ出る。
『起きてたの』
「……へっ、あ…」
『おはよう、俺は小山慶一郎』
「あっ、と…小山さん……ごめんなさい。色々と…」
『あ、覚えてるんだ?』
「…お酒は飲んでなかったので」
『……そっか、
んで、何があったの?』
優しい顔で、私に問う。
「彼に、フラれちゃって……」
『まぁそんなことだろうと思ったよ』
「迷惑かけて…ごめんなさい」
ベッドの上に座り直し、頭を下げると
『謝らないでよ。
ってか、その彼氏に感謝しなきゃな』
「……えっ?」
『〇〇に出会えたから。』
真っ直ぐな、彼の瞳。
「なんで、名前……」
『あ、そこは覚えてないんだ?
イく前に名前呼んでって叫んだんだよ?
可愛かった{emj_ip_0177}』
「は、ずかしい……////」
……そういえば、シゲにもそんなこと言ってたな、なんて。
『もしよければなんだけどさ、』
「はい?」
『その傷、俺が癒しちゃダメかな?』
こんなかっこいい人に、
こんなこと言ってもらって断る理由なんかない。
恋で負った傷は新しい恋で癒す、
だよね。
「……もちろん、よろしくね」
『よかった!ありがとう。〇〇』
私が彼を失った日、
優しい彼に出会い、私は恋をするんだ。
小山慶一郎。
最低な出会い方で
最低な動機だと思うけど
最高に楽しい恋になりそう
そんな予感がしたんだ。
______
____
「慶ちゃん!!」
『なんだよ!』
って子供みたいな笑顔
「好きになりそう!」
『はー?まだ好きじゃねえの?もう一ヶ月経ったんですけどー?
俺は好きなのにさ!』
海辺を走りながら
カップルみたいなことをしてみました
「慶ちゃ〜ん」
『〇〇』
「好きに、なれそうだよ」
『早く前の男なんか忘れろ』
「忘れさせてよ」
『……はぁ、〇〇』
「んっ?」
グイッ
腕を引っ張られ
重なる唇
「…いい調子だね」
『なんで上からなんだよ』
「大好きだよ」
『……うん、俺も』
慶ちゃんは悲しそうな顔をして
私を抱きしめた。
……嘘なんてついてないのに。
「もう暗くなってきたね、帰ろっか」
『ねぇ、海でしたことある?』
「なにを?」
『セックス』
「はっ……?!あるわけなっ…!!」
砂浜に押し倒されて
"ドキドキするよ"
なんて
耳元で囁かれて
慶ちゃんは首筋に何度も何度もキスを落とした。
こんなスリルのあること
シゲとはしたことなかったし
「……ん、あぁっ!」
『ほかの男のこと考えてたでしょ』
「ご、め…」
慶ちゃんはたくさんの初めてを
私に教えてくれた。
大体はエッチなことだけど(笑)
刺激が強くて、
とっても楽しいの。
体だけじゃなくて他にもたくさん。
料理は私の方がうまいけど
スイーツとなれば黙ってない。
『あそこのパンケーキほんっと美味しいんだよ!』
「じゃあ行く?」
この言葉で
目をキラキラさせて子犬のように私を見つめる
可愛くて愛おしい。
男の人にそんな感情を抱いたのは初めてで。
『んっまーーーい{emj_ip_0092}』
「うわ、ほんとだ!!!!」
『〇〇』
「ん?」
『ほら、クリームついてるよ(笑)』
顔が近付いてきて
私の口元をぺろっと舐めた。
「……な、っ…////」
『ん?真っ赤じゃん!可愛い(笑)』
慶ちゃんに出会えて、本当に良かった。
「慶ちゃん大好き」
『なんだよ急に』
"俺も大好き"
彼は優しく、私を抱きしめ、キスをした。
______
____
私がシゲを忘れて
慶ちゃんを大好きになった頃
親友の祐子から電話がかかってきた。
「もしもし?」
「あ、〇〇?」
「どうしたの?」
「ねぇ!!シゲくんのこと何も知らないの?」
「……別れようって言われてから何も連絡とってないも…「シゲくんにも事情があるんだよ」
…………え?
「詳しくは彼に聞きなさい。私からは何も言わない」
「…私にはもう、新しい彼だっているし……」
「そっか、
……でもね聞いて、彼はまだ、
〇〇のこと…「無理だよ今更っ!」
逃げるように電話を切った。
あの言葉の続きを聞きたくはなかったから。
「事情……」
今更、そんな事言われたって遅すぎるよ。
私には慶ちゃんがいる。
慶ちゃんといて、今幸せじゃない。
もう、シゲのことは忘れたの。
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{emj_ip_0615} Please choose a answer {emj_ip_0615}
あなたの答えを選んでください。
1.
本当にそれでいいの?
……やっぱり、シゲに本当のことを聞かなきゃ気が済まない…!!
「…家に行ってやる…!」
スマホをポケットにしまい、彼の家に向かって走り出した。
2.
うん、今の私には慶ちゃんしかいない。
どん底にいた私を救ってくれたのは、他の誰でもない
慶ちゃんだ。
「慶ちゃん、会いたいな」
画面に打ち込み、送信した。
さぁ、あなたは1と2どちらを選ぶ?
1
加藤シゲアキ
2
小山慶一郎
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