2話
「ふぁ〜、お腹空いたぁ」
んー、と伸びをしながらリビングへ行くと
貴兄はおらず、祐也が一人でテレビを見ていた。
「……」
昨日
八つ当たりしてしまったから…少し、話しかけにくい。
『なあ』
「ん?!なに?!」
『昨日さ…』
「あ、うん、その……昨日はごめんね」
『え?あぁ…うん。
別にいいよ』
「え?ほんと?」
『心配とかキャラじゃねえしな、俺。』
まぁたしかにそうだけど、
って言葉は飲み込んで。
「ありがとうね、彼氏に振られたの」
『そ、う……か』
「そう、まだしんどいけど頑張って新しい人探すんだ〜」
お昼ご飯を探そうと冷蔵庫を開けると
『なぁ、貴兄とどうなってんの?』
「……え?」
振り向いても、祐也はこっちを見ていなくて
『兄妹だって、わかってんの?』
鋭い視線が、向けられる
「どういう、意味?」
『俺のことも、そういう風に見れるのか?』
「さっきから何言って……」
『貴兄と寝てたじゃん、なに してたんだよ』
「なんにもしてないよ?慰めてもらっただけ」
"お前、気付いてないんだろ"
祐也の言葉が、よくわからない。
「な、に?」
『……鏡でも見たらわかるんじゃね』
そう言われ
バタバタと洗面台へ向かうと
「なに、これ……」
首には
____キスマーク
呆然としていると
祐也が来て
『わかった?
俺達は兄妹かもしれない。
でも』
耳元で、こう囁いた。
"男なんだよ"
壁に押し付けられて
「ちょっ、なにすん……」
目の前には祐也の顔
『ドキドキしてるか?』
「そんなわけ……」
『お前鈍感だもんなぁ』
「何言ってんの、よ」
『なぁ、彼氏ってどんなやつだったの
お前とは何した?いつから付き合ってた?どこが好きだった?なあ?
どこ行って何した?家には来たか?
まだそいつが好きか?』
祐也の目は、不自然に大きく開いていて
少し、恐怖を感じてしまう。
「ゆ、うや?」
顔がグッ、と近付いてきて
思わず目を閉じる
けど、何も感じない。
『目を閉じるってことは、そういうこと?』
「……えっ?」
目を開いたと同時に
祐也に、キスされた。
ゆっくり、甘噛みするように。
年下のくせに、義弟のくせに、
祐也のキスは
大人だった。
そして
貴兄がつけたマークの反対側に
吸い付いて
『……俺のシルシ、
ねぇ、〇〇』
「…はい」
『……ごめん、無理矢理とか』
無理矢理奪っておいたくせに、急に謝って
ぎゅーっと抱き締めてくれる彼に
心臓の音が止まなくて
『次は合意の上でするから』
「つ、次って何よ!」
『ふふふ、俺を選んでくれたらまたしてあげるよ』
「選ぶ?」
『……ご飯作ってやるよ、一緒に食べよ?』
彼の言葉の意味を理解しようとしても
私には先に歩いて行く祐也を追いかけることしかできなかった。
次へ
......................................
閲覧数
今日:11
昨日:0
合計:9227
......................................
ALICE+