第3話
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「岬!おい岬!聞こえるか!?返事をしろ、もしくは動け、岬!」
切羽詰まった声で俺を呼ぶのは誰だろう。こんな低い声、吉田でも宮地でもない。こんなに体が重いのも久々だ。殴られただるさでもない。体が動かない、どくどくと痛い。目が開かない。
「岬さぁん…死なないで」
「おいっ救急車呼べ!」
「で、でもそんなことしたら俺ら全員捕まりますよ!?」
「テメェらはさっさと逃げればいいだろうが!」
ああ、俺もうすぐ死ぬのかな。あんな雑魚にやられたなんて屈辱だ。やっぱタイマン張るなら一対一の殴り合いだろうが。それも古臭い考え方なのか?でもだってよぉ、あいつらまさか大勢でナイフ持ってやってくるなんて思わねぇだろ。
「…岬!」
食いしばるように俺の名前を呼ぶその声に笑いだしそうになる。誰だ、お前。テメェは人見下して笑ってるくらいがちょうどいいだろ。
ああ、雨でも降って来たのかな、なんか水滴が落ちてくる。
ふっと途切れた意識のせいで、その後のことをよく知らない。ただ、目が覚めたら真っ白い天井があって、枕元を警官が囲んでいて。
唇には柔らかく温かい感触が、密かに残っていた。
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