
その名も強欲
(大人は嫌い…そんなの変わりっこない
でも私が嫌いな大人じゃない人もいると
認めてもいいかもね…)
[ その名も強欲 ]
「アルは真理を見なかったんだね?」
「あっ…えーと『真理』ってなんの事かさっぱり…」
エド達が帰らなくてすみ、さっそく錬金術について話す…令美をのぞいて…錬金術について令美は口出しすることはない…だって理解出来ないし興味がまったくないからだ…だがこの話は少し興味がある…
『真理』
エドとイズミが人体錬成をした時見たというソレをアルには記憶がない…
「ふぅん…ショックで記憶が飛んでるのかね?アルの記憶を戻してみよう…なんせ全身持って行かれてるから」
「そうか!あいつの言ってた『通行料』の量で言うならアルは真理に1番近い所にいる‼︎」
「じゃあその時の記憶が戻れば‼︎」
『真理』に近づくためアルの記憶を戻すことが一つ目の課題ができ明るくなったが…『真理』を知るエドとイズミは苦い顔に…なんでも“精神がイカれる”とか“廃人”とか…とにかく嫌な記憶らしい
「 …( 真理…ね… )」
「…それでも可能性があるならそれにすがりたい‼︎」
「…よし、記憶を戻す方法をさがそう…私も知人に当たってみる」
記憶を取り戻すことに前向きなアルにイズミも少し悩んだがそれしか道がないため明日からアルの記憶を戻す事に専念することになった
「その前におなかすいたでしょ、ご飯にしよう手伝いな方法がみつかるまで帰る気は無いんでしょ?」
イズミが話は終わりと言わんばかりに夕食を食べることに…確かにもう夜遅い
「ほらっいつまで座ってんの!」
「はっはいっ‼︎」
「ありがとうございますっ‼︎」
夕食の準備を手伝うため兄弟は立ち上がり師匠についていく…
「あぁ…カンナも手伝ってくれるか?」
「…“レイミ”が名前…そっちの方で呼んで」
「…あぁ!レイミが名前だったのか…レイミ…いい名だ…」
『⁉︎』
イズミに対して敬語じゃない令美にも驚くが何より令美が少しだけイズミと仲良く見えた
兄弟のイメージでは令美は最初から師匠に敵意剥き出しだった…のだが自分たちの知らないところで何がと頭を悩ませる兄弟
◇◆◇◆◇◆
『……師匠』
人が寝静まってる時間…明かりがわずかな部屋の中…
『…あいつ…レイミについて
相談したいことがあるんです…』
彼を止めることは令美にはできない
数日、イズミの家でアルの記憶を取り戻すため兄弟は図書館へ行ったり色々とやってはいるが変なトカゲに絡まれる以外何も変わりない毎日だった
今日は病院から帰ってきたイズミが記憶を戻すためアルをバットで殴っている時
「どうしたの兄さん」
筋トレしてるエドがある重要なことに気づいた
「…ひどい顔…」
驚き固まったエドの顔がすごいことになっている
「…今年の査定忘れてた…」
「あ‼︎‼︎」
驚いた後、顔を青くするエド…その時に言った言葉に理解できたのはアルだけで…令美達には何のことかわからない
「査定?」
「国家錬金術師の年に一度の査定!これをちゃんとやっとかないと資格取り上げられちゃうんです」
「軍人も色々とめんどくさい」
焦り始めるエドにイズミがこれを機会に軍を止めろと電話し出す…電話は止めてアルの手助けがありエドは猛スピードで軍本部へ向かうため用意する
「んじゃ!行って来ます!」
あっという間に出て行ったエドにアルだけが手を振って送り出した…がその後をアルが勢い任せに逃げようとしたがイズミによって止められた…これから地獄の組み手が待っている
「…慌ただしい奴…」
その夜…瞬間移動のアリスの存在に気づいた令美だが…エドには勿体無いなと思うことにした
ここで世話になる間は何かしら手伝いをしないと家に入ることも出来ない、それは令美も例外ではなくご飯の手伝いや店の看板娘みたいなこともさせられた…顔のおかげで店の売り上げが上がりイズミの機嫌が良くなったとか…
「レイミ、今日は買い物よろしく頼むね」
「…」
そして今日は買い物…店では看板娘として、買い物では値下げやおまけの期待をされる事が多くなりイズミはこの二つの手伝いを令美にさせたがる…令美としては立ってるだけで行くだけでいいので助かる
「行ってらっしゃい」
「……はい」
イズミが本当の家族のように送り出すのは令美は慣れてない…毎回短い返事だけで出て行く令美をイズミは苦笑いしながらも明るかった
「あ、レイミさんどこか行くんですか?」
「…買い物…」
「あぁ、夕ご飯の…いってらっしゃい気をつけてくださいね」
「…」
“行ってきます”
と令美には簡単に返すことは出来ない…家族でもない赤の他人同士で挨拶をした事がなかったから…
「…意味分かんない」
外にいたアルにまだ送り出され令美は少し戸惑いながらも買い物へ行った…その間、アルの元に敵の誘いがあったとか…
アルがいなくなったと気づいたのは令美が買い物から帰ってからで…
「レイミおかえり…あれ?アルの奴と一緒じゃなかったのか?」
「…知らない、行く時には会ったけど買い物には一人で行ったから」
イズミはアルと令美が一緒に買い物に行ったと思ってたみたいでアルがいないのをそんな心配してなかった
「たく、あのバカ手伝いもしないでどこほっつき歩いてんだか…レイミ悪いけどあのバカ探してきてくんないかい?」
「…別にいいけど」
手伝いのために言ってるのか心配なのか令美には分からないがアルを探すくらいなら簡単なので引き受けた…
「…アルったらどこいって…」
仕方なく家の周りを見渡す…いつもは使わない遠目のアリスでアルを見つけることに…
「はぁ…本当、ヒマしない連中…」
見つけたアルにため息吐いた令美は歩き出す…まだ日は沈んでないが…きっと帰るのは夜になるだろう…
「…帰るの遅くなりそう…」
◇◆◇◆◇◆
「あれー?アルフォンス君とレイミちゃんまだ帰ってきてないんですかー?」
「…レイミはともかく…何やってんだろうねあのバカは‼︎」
外が暗くなり今だに帰って来ない2人に心配するメイスン…頼み事した令美は分かるがアルがいつまでも帰って来ない事にイズミは怒っている
「ちょっと心配ですよね…誘拐とかされたりして…」
メイスンの一つの仮説に想像するイズミ達…だが
「まっさかー」
「そうっスよねー」
あの鎧の体がそう簡単に捕まる訳がないとイズミ達は笑い飛ばした
「でも…
もしアルのせいでレイミにもしものことがあれば…犯人もアルもぶっ殺す‼︎」
「…師匠、レイミちゃんには激甘っスよね…」
「…ウム」
◇◆◇◆◇◆
事件は令美が買い物に行くのを見送ったアルの前に投げられた紙くずに書かれていた…
『おまえの秘密を知っている 西の工場跡地へ来い』
アルは書かれた通りにその場へ行けば敵は数人いてアルは捕まってしまった…敵は動物と合成した人間合成獣で土地勘もあり上手くかわしてたアルでも奇妙な敵に翻弄された…アルは日が沈んでも捕まったままで…
「…アル、何してんの早く帰ろ」
『‼︎⁇』
アルをアジトのような場所に拉致ってきた部屋に普通に入ってきた令美にみんなが驚いた
「レイミさん⁉︎どうしてここに‼︎」
「…アルが早く帰ってこないから迎えに行ってこいって言われたの」
アルを迎えに来たと簡単に言ってのける令美だがこの部屋の外には見張りが何人もいる…それ以前にこの場所が何で分かったのか…
「これ以上遅くなると怒られるんじゃない?アルが」
「あわわわわっ…‼︎」
呑気な2人に調子が狂うが敵は警戒心を強め、何者か分からないが令美に武器を構えた
「なんだこいつ…どうやって入ってきた?…それよりもどーやってココが分かった⁉︎」
「なんなのこの女⁉︎」
「気持ち悪い、アルその中に入られたの?」
「ヒドイ‼︎」
見張りに男だけかと思ったらアルの鎧の中にも人が入ってて令美が拒絶する、まったく相手にされてない敵2人は令美が異様に見える
「…で、どーすんの帰るの?帰んないの?」
「…あー…帰れそうにないです…」
「そ、じゃあそう伝えとくから」
令美の行動しだいで動くつもりだった2人はまたも驚く…アルを助けに来たと思ったら帰るといいだしたから
「ちょっと待て…この場所に来た者を簡単に帰すことはできねぇな…」
「邪魔なんだけど…」
剣を向けられても臆することない令美に…合成獣ゆえに危機を感じる男…令美はなにも武器がないのに勝てる気がしなかった…
「ドルチェット…!…そこの女!大人しくしないとこの鎧がどうなってもいいの⁉︎」
男、ドルチェットを助けるためにアルの中にいる女が令美を脅す…アルの鎧の中に書いてある錬成陣を傷つけるとアルの魂が消えてしまう
「ええっ⁉︎ちょっと…‼︎」
「…」
アリスですべて解決する…がこんな下っ端に見せるのは嫌だなと上から目線な令美
「うぅ…レイミさんすみません…」
アルが謝り、令美は仕方なしに両手を上げ近くの物置に座った…敵の2人はそこでようやく緊張の糸が切れ息を大きく吐いた
「…こんな汚い場所にいてやるんだからアルみたいに鎖で拘束なんてしないでよ」
「………すげぇ女だな…お前のツレ…」
自分達より令美のがはるかに強いのは勘でわかるがあまりの堂々とした態度にドン引きしてるドルチェットアルの中にいる女、マーテルも…
そしてー
「あおっ!何だよ何だよ‼︎女もいんじゃねーか⁉︎」
部屋に入ってきた人達の中で奴は楽しそうだった
「へぇー…すげぇー美人じゃねぇーか…
俺のドストライク…」
令美に過剰に反応を示す奴は
敵のトップである
欲深い瞳を持つ男だー
「俺はグリードってんだ 仲良くやろうや」
令美に興味を持っていたグリードだが、本命はアルのようで、アルの鎧の中身が空っぽなのを確認して、軽々と話す
「お兄さん達…悪い人?」
「お兄さんってぇ年じゃあねぇ…いい人でもねぇ…」
グリードの手の甲にはウロボロスよ入れ墨がある…エドが第五研究所であった敵の入れ墨と同じものだと情報をきいていたアルはすぐに気づいた…味方ではないそうだが…
「さて…アル…なんとかって言ったか、魂のみで死ぬ事の無い身体ってのはどんな気分だ…」
「どうしてボクの事知ってるのさ…」
グリードはイーストシティでスカーでの出来事を知っていた…アルはスカーにやられ身体は半分近く失う、そのため中身がないアルが話す所を多くの人に見られていた箝口令が敷かれてたものの裏の情報は流れていたらしい…
「それでボクを連れて来てどうするつもり?」
「個人の魂だけを錬成し他の物に定着させる…
やりようによっては永遠の命を手に入れられるんじゃねぇか?なぁ?
俺は強欲な人間だからよ
金も欲しい!女も欲しい!地位も!名誉も!
この世の全てが欲しい‼︎
そして永遠の命も…だ‼︎‼︎」
「(…どの世界にもいるのね…強欲な人間って…)」
