美・少女だから








『…カンナ レイミ…あの娘は何もしなかった…

“目の前で人間が死にようが顔色一つ変えなかった…』

暗い一つの大きな部屋にキング・ブラットレイが事件の報告をする…今回の事件、グリードはもちろんもう一つ目的があった

急にエルリック兄弟の前に現れ同行する様になった謎の少女の観察

『…内心ビビってたんじゃないの〜?』

『だけど油断は出来ないわ…あの子は私達の存在を知っている…お父様に気づかれる前に…

        消さなくては…』






       [ 美・少女だから ]





「(…あの事…まだ言わない方がいいのかな?)」

イズミ達とご飯を食べて1人令美は寝室で窓から暗い夜を見上げる

「(…あのおやじの力…ただ目がいいってだけなのかな…透視能力とか…)」

流石に自分の事とはいえ内容が内容なだけに令美はギング・ブラッドレイの話をエドとアルに出来なかった…それに説明するとなるとアリスの話は絶対にしないといけない…


  「(…だけど…いつかアリスのことも…)」






◇◆◇◆



場所は変わって…またラッシュバレー

エド達は修行中であるウィンリィの元へと戻ってきた
「いよっ!ウィンリィさん本日も良い天気でごきげんうるわしゅう!」
「エド!アル!レイミ‼︎」
出来るだけ明るくウィンリィの前に現れたエド…急な再会にウィンリィはもちろん驚いてたが喜んだ



グリードとの戦いでボロボロになったオートメイルを見せたエドに…

「…だから言ったのに…こんな作戦じゃ無理だって」
ウィンリィによって死んだエドにアルは泣き、令美は呆れた…オートメイルが壊れてしまいウィンリィの所へ直しに行く前に怒られないために話し合った3人だったが…見事に作戦失敗した

「へー、スリやめたんだ…」
なんとかエドはウィンリィに腕を直してもらう中仕事から帰ってきたパニーニャとアルが話に花を咲かせていた…令美も隣にいるがまったく参加するつもりがない
「うん、身の軽さを活かして高所作業を請け負って生活してんだ」
パニーニャは稼いだお金を少しずつだがドミニクに返してるらしい

「そっちの調子はどう?」
「うーん…ちょっと進歩あり…かな?」
この数日で大きく変わったわけじゃ無いが兄弟の目的への前進に良くもあり、ウィンリィとしてはオートメイルがボロボロで悲しくもあり…まぁ、すぐにオートメイルに内蔵できるマシンガンなんかを進めていたが…


「それで?次はどこ行ってオートメイルを壊す気?」
「壊すの前提かよ‼︎」
エドとウィンリィの言い合いはアル達を笑わせる…令美はウィンリィがお世話になってるオカマの親父に出された紅茶を優雅に飲んでるが

「…中央軍部で調べ物しようかと思ってんだ…」
「えー⁉︎中央行くの⁉︎あたしも行きたいなぁ!」
ウィンリィにはああ言ったが本当はあやしい軍にひっつくため…考えてようやく絞り出した作戦は中央に行くというもので…なんとも単純なものになってしまった

目的地を知ったウィンリィは食いついた…どうやらヒューズ家にお礼が言いたいらしい
「そうだ…兄さん!ヒューズ中佐!」
「おぉそうだ!オレも入院の時世話になったしあいさつしとかねーと」

「(……誰だっけ?)」
働き溜めのウィンリィはすぐに休みの許可がでて中央に行くのにウィンリィも一緒になった中…令美だけがヒューズの存在を思い出せないでいた…

「よし…っとチェック終わり!部品の調達してくるからその辺でヒマつぶしてて」
「ヒマつぶすってどーやって…レイミも来るか?」
「私は…」
腕を直す前に部品が必要で待ち時間が出来た兄弟…それと令美も…観光地といっても兄弟からしたら興味のないものばかり…どうしようか令美も誘うか迷った時…

「レイミはダメ‼︎久しぶりに会ったんだから私にゆずって‼︎一緒に買い物がしたいの‼︎」
「お…おぉ…」
ウィンリィのすごい勢いに拒否権がなく、エドが返事してしまった…令美もそれに断る事が出来なかった

「…じゃあ…オレ達は行く…か…」
「…う、うん…」
なぜだか気まずくなるエドとアルはなかなか店を出ない、そんな彼らをオネェの店長が相手をすると言い出したら兄弟はすぐ様店を出て行った


「さぁ!レイミ行きましょ!部品以外にもレイミの似合う洋服とか見に行きましょ‼︎」
「(…暑いのはイヤなのに…)」
外の暑さもイヤなのに気合い十分なウィンリィ自身も熱く…もうすでに令美は疲れていた…



◇◆◇◆



「…さすが美少女…一味違うわ…」

数件買い物して部品も大体の物が手に入り令美達はカフェで休憩中…ウィンリィはコーヒーを優雅に飲んでる令美を見つめ褒め称えた
「…何」
「だって今回の費用、いつもの半分もしてないから…どの店もレイミの可愛さにすぐ値引きやらおまけまで貰えて…」
ウィンリィも可愛らしい笑顔と人懐っこさでも割引き出来てるらしいのに、今日は令美がいてさらに値引き出来てウィンリィは満足そう

「ありがとうレイミ、いっぱい付き合わせちゃって」
「…部品に関してはいいけど、洋服買いすぎじゃない?」
部品の買い出し以外に令美の洋服を見ると張り切っていたウィンリィは自腹で令美の洋服を何着も買っていた…自分の服じゃないのに
「…仕方ないわよ、ぜーんぶ似合ってたから」
あっけらかんと言い放ったウィンリィに令美は異様に見えた…


「…でも良かった…」
令美がおかしな子を見る目でウィンリィを見てもウィンリィは気づくことなく安心したように笑った

「前に会った時よりもエド達とレイミ仲良くなってて…正直ビックリしちゃったけど」

「…そう?」
そんなに変わってるとは令美は思わないのにウィンリィは嬉しさ半分嫉妬半分で語る

「そうだよ!私の方が先にレイミと仲良くなるの狙ってたのに…」
「…そんなに仲良くなんてないわよ」

「…ん〜態度とかは変わってないし気付きにくいと思うけど…

“壁”がなくなった?…ってカンジがしたから…」

ウィンリィの言葉に令美は驚いた…彼女にそんな風に気付き安心した笑顔を向けられ…令美は気まずくなりだした

(ガタッ!)
「…どうかした?レイミ」

「……暑いから先に帰る…後の買い物は1人で大丈夫でしょ…」
無性に令美はこの場に居づらくなり、ウィンリィの返事を聞く事なく荷物を持って先に店を出てしまった

「あらら…置いていかれちゃった…

   …でもテレてるレイミ可愛すぎる〜‼︎」



「(…なんなの、これ…)」
早々にウィンリィの職場へ戻ってくればパニーニャも店長もおらず令美は助かった気持ちになった



ところ変わって兄弟は相変わらず事件を起こしていた…すべてのきっかけはアルが行き倒れた人を拾ったことだ…

その行き倒れはお腹を空かせていたみたいで拾った手間エドが食事をおごることに

そんな行き倒れた人は東の大国 シン から来た

名は『 リン・ヤオ 』

錬金術について調べにここまで来た…

       そして『賢者の石』を探してる

エドとアルに何かを感じたのかリンは部下2人に命令して兄弟を武力で脅し賢者の石について聞き出そうとした…がエド達はもちろん答える気などなく街中を巻き込んで攻防戦が始まった

結果的に勝ったのだが、代償はあまりにも大きくエドは右腕がはずれ、壊れた街…

リン達はトンズラしてエドは右腕なしでは錬成出来ないため記憶が戻ったアルが錬成陣なしでも出来るようになったのでアルが直すことになった

そしてすべてが終わりやっと店に帰って来た時…

「僕と結婚して下さイ」

「無理」

「そんなァ〜…やッ また会ったネ!」
トンズラしたリンが呑気にお茶し…挙げ句の果てには令美にプロポーズしていた…

エドはもちろんはずれた右腕でリンを殴った…


「なんで でめーがここにいるんだよ…」

「やぁ“また”行きだおれてたらそちらの美しい方がお茶を出してくれてネ…それにモロタイプの超絶美女のレイミちゃんに出逢ったら口説くしかないかなとネ…」
リンが言った美しい方は店長のオネェだ、令美が独りお茶して落ち着かせてるところに店長が帰ってきたリンを連れて…そしてリンが言った通りお茶してる間リンが令美にプロポーズしてただけだ

「…あの男、知り合い?」
「えっと…まぁ」
エドがリンに怒鳴りリンが呑気にスルーしてる間にアルと令美はお互いのリン事情を話した…すると、そこに…

「ただいまー大通りの方が騒がしかったけど何かあった…」

ウィンリィが帰って来て…先程まで右腕が繋がってたエドのオートメイルが見事に外れているのを見つけた…



「へー!ずいぶん遠い所から来たのね!」
「この国の女の子みんなやさしくて美しイ!とてもいい国だネ!」
「やだぁ誉めても何も出ないわよ!」
リンとウィンリィがお茶して楽しんでる中…隣では見るも無惨な姿になったエドがいた…

「探し物ついでにお嫁さんも2人、3人みつけて行こうかナ!」
「さわるな!」
キリッと細目でキメ顔するリンはウィンリィと令美の両方の手を掴んで口説く、でもリンが“本命はレイミちゃんだヨ”と言われても令美は嬉しくもないので無視する

「おいウィンリィ!オレは早く中央に行きたいんだ!さっさと腕直せ!」
死から復活したエドは呑気なウィンリィにを急かすがそれに反応したのはリンだった
「中央?…じゃあ俺も一緒に行こウ」
「1人で行け‼︎」
さっきからエドはリンを拒絶してるが、リンは折れることなく、しかも友達だろと擦り寄るしまつ…

「よかったねぇ兄さん友達ができて」
「よかったじゃん…私には迷惑かけないでよ」
拒否反応で店の外まで離れたアルと令美はエールを送るエドのSOSは届かない

「ダメよエド!友達は大切にしないと」
「はははははそういう訳でよろしク‼︎」
「帰れーーーっっ‼︎‼︎」
店の中はそれはもう騒がしく、めんどうなことになっていた…これはエドの腕が直り中央へ向かうまで続く…

 「(…へぇ…賢者の石で

     “不老不死”の法をねぇ…)」



アカシ-Tsukimi