考えとく









「荷物扱いの方が旅費より安いからな…」
荷作りして、汽車に乗る時アルは木箱に入れられ荷物扱いとして汽車に乗せた少佐

「憐れ…」
初めて荷物扱いされ悲しんでる兄弟を令美は冷たい目で見て汽車へと先に乗った


「…狭そう」
「…だったら変われよ…イヤ俺もそっちに座る!」
「イヤよ、誰かと一緒に座るなんて」
汽車の中、2人席なのに少佐がデカ過ぎて一緒に座ってるエドはキツくて狭い

(コンコン)
「誰あんた」
「ヒューズ中佐だよ‼︎」
「…よ…」
汽車が出る前に窓の外から軍人のおじさん、ヒューズがいた、スカーとの話合いの場にも居たヒューズを令美は全く覚えてない、隠すつもりもない令美のストレートさには周りの人は傷つくばかり

傷ついてるヒューズは気を取り直して司令部のロイ達は忙しくて来れないので見送りは自分だけになったことと、ロイからの伝言
「『自己処理が面倒だから私の管轄内で死ぬ事は許さん』以上」
「『了解、絶対てめーより先に死にませんクソ大佐』って伝えといて」

「あっはっはっ‼︎憎まれっ子世にはばかるってな!おめーもロイの野郎も長生きすんぜ!…あぁそれと嬢ちゃん」
「…」
ロイとエドの2人にヒューズは豪快に笑い…それから令美にも
「ロイの隣に居た女性、リザ・ホークアイ中尉から『何か困ったことがあったら同じ女性として頼って欲しい』ってよ…」
「…ふーん」
話した覚えもない人からの伝言に令美は戸惑う…今はまだ疑う気持ちの方が強い
「…よかったじゃねーか、いい人だぜ中尉は」
「……『考えとく』」

返事するつもりなかったのにエドに言われたからか、令美にも分からないが…曖昧な返事を返した令美を何故か男達は笑った…すると汽車が出発する音が鳴る

「じゃ…道中気をつけてな…中央に寄る事があったら声かけろや」
敬礼して挨拶したヒューズにエドやアームストロングも敬礼した

「(軍人っぽい…あぁ軍人か…)」





「我輩はオートメイルの整備師とやらを見るのは初めてだ」
「正確には外科医で義肢装具師で機械鎧整備師かな昔からのなじみで安くしてくれるしいい仕事するよ」
汽車が進む中アームストロングがこれから向かう整備師についてきいた

「その整備師のいるリゼンブールとはどんな所だ?」
「すっげー田舎、なんも無いよ…つーか東部の内乱のせいで何も無くなっちゃったんだけどね…軍がもっとしっかりしてりゃ、にぎやかな町になってたんだろうなぁ…」
「…耳が痛いな…」
整備師のいるリゼンブール…少佐の質問に軽快に答えていく…中には過去の軍人の話もあり、本気ではないがエドは軍人である少佐を攻めてる

「…本当静かな所でさ…何も無いけど都会には無いものがいっぱいある…

それがオレ達兄弟の故郷、リゼンブール」

整備師が居る場所はエド達の故郷だと令美は初めて知った…しかも田舎出身
「いいじゃん静かな場所、騒がしいよりよっぽどマシ」
「…そーゆもんか?」

「…そうよ、色々なモノに囲まれるのって疲れるから」

「…」
「(北の森みたいな感じなのかな…)」



「ところでアルはちゃんと、この汽車に乗せてくれたんだろうな」
「ふっふーぬかりは無いぞ」
荷物扱いのアルはもちろん荷物車両に乗っている…その手配はしょうさがしたそうで…アルは家畜車両に置いてた…今頃アルはヒツジと仲良く過ごしている…と
「何それ…最悪」
「1人じゃさびしかろうと思ってな!」
「てめぇオレの弟をなんだと思ったんだ‼︎」
存在自体が特殊なアームストロング…考えも規格外すぎてアルが被害者になってた
「むぅ…何が不満なのだ!広くて安くてにぎやかで、いたれりつくせりではないか!」
「ふざけんなーっ‼︎‼︎」
エドの怒りが全く伝わってない少佐にそれでもエドは叫ばずにいられなかった…おかげでこの汽車の中で1番騒がしい客となった

「…他人のフリしたい」


  こうして令美達はエドの腕を元に戻すため

     整備師の所へ行くことになった
 







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