よかったじゃない






「へっ…2人がかりで1人の人間を甦させようとしてこのザマだ…ロゼ‼︎人を甦らせるってことはこうゆうことだ!…その覚悟があるってのか?あんたには⁉︎」

自分と同じ願いを叶えるために彼らが払った代償を見て、驚き恐怖を隠せてないロゼ、エド達は自分達の身体を取り戻すため無から有を生み出す賢者の石が必要なのだ

「教主さん、もう一度痛い目見ないうちに石をボク達に渡してほしい」
「くくっ…神に近づきすぎ、地に堕とされたおろか者どもめ…ならばこの私が今度こそしっかりと…神の元へ送り届けよう‼︎」
エドとアルの言葉などもちろん通じず教主は自身の杖をマシンガンに錬成し
「いやーオレって神様に嫌われてるだろうからさ…行っても追い返されると思うぜって‼︎」
マシンガンで撃たれる前に錬成で壁を作り身を守るエド、教主は気にくわず次はアルを狙う、ロゼの前で
「クズは嫌い」


「なっ…なんだ⁉︎なぜ動かんのだ‼︎」

令美がアリスを使いマシンガンの動きを止める…
もちろん誰も気づく者はいない、教主は慌てエドはその隙に部屋から脱走(扉は錬成した)




「なんで逃げるの?あんな奴やっつければいいじゃん」
「別にオレ達はあの教主をやっつけるつもりなんてねーよ」
教主から逃げるのに納得がいかない令美は不満をエドにぶつける

「オレ達の目的は“賢者の石”だ」
「…じゃあ何で“こんな事”するの?」
逃げる途中見つけた放送室でエドが“ある”作戦をたてた、2人が準備するため2手に分かれた、令美はこの作戦に疑問しかない

だがエドは令美の問いに答えてはくれず、その内邪魔すんなと令美はアルのとこへ行かされた



◇◆◇◆

「さっきの話だけど…まだ信じられない…そうまでしないと錬成できないなんて…」
アルのとこへ行けばロゼが人体錬成についてアルにきいていた

「言ったろ…錬金術の基本は“等価交換”って…何かを得ようとするなら、それなりの代価を払わなければならない…兄さんも“天才”だなんて言われてるけど“努力”とゆう代価を払ったからこそ今の兄さんがあるんだ…」
「(あのチビが“天才”?…ありえない)」
アルの話を静かに聞いてる令美はますます不満がつもる

「…でもそれまでして犠牲を払ったからにはお母さんはきっと…」

「…人の形をしてなかった」

エド達の人体錬成はロゼの希望でもあった…だが現実は
「人体錬成はあきらめたけどそれでも兄さんはボクの身体だけでも元に戻そうとしてる…ボクだって兄さんを元に戻してやりたい…でもそのリスクが大きいのはそうゆう業の道だ…だからロゼ…  君はこっちに来ちゃいけない」

「(あぁ…)」

ロゼはアルに何も言い返せなかった、自信の願いと彼らの忠告に恐怖…2つの思いがロゼの道を塞ぐ
「(…なんでこんな似たような奴らと会うんだろ…私)」






作戦は単純、教主の裏の顔を放送を使って町中に知らせる

盗んだ鐘を放送コードに繋ぎ、鐘をスピーカー代わりにして町中に聞かせる、そんな事知らずに教主はエドの言葉に乗せられペラペラと本性を晒せだした、隠していたマイクはそれを全て拾い放送された、すぐにでも騙された信者の反乱が始まるだろう



「ハンパ物?」

「あぁ…とんだムダ足だ、やっとおまえの身体元に戻せるかと思ったのにな」
「ボクより兄さんの方が先だろ…オートメイルは色々と大変なんだからさぁ」
結局、賢者の石は偽物で苦労が水の泡(令美は何もしてないが)教主はエドによって気絶してた

「…そんな…うそよ…だって生き返るって言ったもの…」
教会は(エドのせいで)崩れ教主は(エドのせいで)神ではなく偽物だと気付かされたロゼは絶望して地に座り込む
「…あきらめなロゼ…元から」
「なんてことしたくれたのよ…」

エドがした行動、言葉をロゼは拒絶する…暗い言葉

「これからあたしは何にすがって生きていけばいいのよ‼︎教えてよ‼︎ねぇ‼︎」

涙を流し信じる者をなくしたロゼはそれを奪ったエドにすがる

「…そんな事自分で考えろ…立って歩け…前に進め

あんたには立派な足がついてるじゃないか…」

エドとアルはロゼを通り過ぎ行ってしまった…自信の願いのため、前へ

「よかったじゃない」

「え」

気付いた時にはロゼの前には汚れ1つもない令美がいた

「あの兄弟、全部あなたの為に“こんな事”してくてたの」
令美の瞳は何の感情も無い…ただロゼを写してるだけ

最初に出会った時とはまるで別人、ロゼは恐怖した

「じゃなかったらあなた、死んでたよ」

「…っ!死って…」
軽いとても軽く令美は無感情のままロゼに未来を語る

「あのハゲが言ってたでしょ、覚えてないならいいけど」
「何を言って」
軽すぎる令美のせいか、混乱してるせいかロゼにはまったき令美の言葉が頭に入ってこない

「まぁ、とにかくあの兄弟には感謝しとけば

私、あなたを助ける気まったくなかったから」

恐怖で一瞬目の前が暗くなったロゼ…その一瞬で目の前にいた令美はいなくなっていた…だがその異常さに今のロゼは気づくことはできなかった





(何も変わらない)

(私も世界も…この力(アリス)も…)

(でも)

「不器用すぎるぼどお人好しバカ兄弟か…」


「あ、レイミ…さん」
「なぁ⁉︎お前何しに来た‼︎また金か!2度も取られてたまるかぁ‼︎」
先に行っていたエド達を令美は追いかけた、彼らはまた次の町へ行くみたいだ

「私も一緒に行くから」
「ハ」

「結局、借り返してなかったからね…」


(あの場所で何も変わらず、逃げ出した私だけど

 私は…)



(優しすぎる兄弟は…あんた達に少し似てる気がした

 だけど違うから…)










アカシ-Tsukimi