( なんだったの )
( 今まで 私が してきた事はなんだったの )
( 私は何がしたかったんだろう )
「…ここ…どこ…」
触ったことない感触に…熱…
ひどく酔った気分で最悪の目覚めでだるい身体を起こした名前は周りを見渡した…
そこは名前が見たことない…いや、写真や動画でしか見たことない場所だった
「…これって…砂漠…?じゃあここって、アフリカなの…」
名前は学園から“逃げてきた”…どうしてもあの場所にいたくなかったから名前は自身のアリスを使って…
「…“瞬間移動”と“タイムトリップ”…2つを合わせて使えば世界さえも越えれると思ったのに…結局、外国に来るのが精一杯か…」
名前は本当は誰も知らない世界に行きたかった…物語のように
確かに此処には名前を知ってる人はいないが…
「…上手くいかないんだったら普通に“瞬間移動”で来ればよかった…」
体調が悪い名前は機嫌も悪くなる…運任せの賭けに出たことを後悔する…いつもの様に体調を良くするための力を使う…
が…
「…使えない…?」
次の瞬間、名前の頭がすごく痛くなった
聞いたことない街の名前、進んでない文明、知らない常識…
「…まさか本当に異世界ってヤツ…?」
近くの街へ着いた名前はこの世界について数日かけて調べてみれば自分の知らない事が次々と明らかになっていく
ありがたく“頂いた”果物を食べながら高台で街を見下ろす
「…本当にさよならしちゃった…」
数日前はあの学園の中で暮らしていた日常が夢の中の様で…
「…学園って結構小さいのね…
世界がこんなに広いなんて…
知らなかった…」
自由になりたい…と名前は学園にいた時よく思っていた
「(…これが自由ってヤツなの…?)」
空が茜色になるのを眺めながら名前は明日からの毎日を考える…今までは校長やペルソナの指示に従っていた時は明日を考えた事がない名前
「…自由ってヒマなのね…」
改めて名前は想った…
学園から逃げて自由になりたいと願った自分は
まったく先の事を考えてなかった
「…どうしよっかな〜」
先の事が決まらない自由を持て余した名前はそれから数日何もせずに過ごした…
「ヒマ…それでもあんな場所よりマシだけどね…」
名前はあの子のお陰で変わった学園に嫌悪感、明る過ぎる場所に名前はいたくない…都合の良いことに此処は何か影がある世界だ…
「…お姉さんどこから来たの?」
街の中心にある噴水でヒマしてる名前に小さな子が話しかけた
「…遠いところ」
「ふーん…じゃあお姉さんって旅人さん?それにしても荷物が少ないね」
「……旅人?」
考えても無いことを言われた名前は凄く興味を惹かれた…それはこのヒマな時間からさよなら出来るきっかけだから
「…旅人か…それもいいかもね…」
まるで今決めた物言いの名前に小さな子は理解出来ない、この世界では赤ん坊の名前はまず知ることにした…
「お姉さんってなんで旅してるの?」
「…いろんなことを知りたいから旅人になるの…」
( 棗、流架…私何も知らなかったから
“外”を見て、自分が何をしたいのか…
校長やペルソナの言うことを聞かなくていい
任務もしなくていい…
そんな世界で私が本当にしたいことを探す…
それも…自由だよね… )
「……さよなら、流架 棗 」
いつの間にか小さな子はいない、だが名前は気にすることなく旅を始める…
「…ここって東らへんって言ってたよね…国の中心に行きたいから…まずは東の中心イーストシティーって場所に行こう…」
初めて自分で選んだ道の先で
名前は兄弟と出会う…
ーNo side endー
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