私が握り飯を食べ終わった頃、慶次はやっと質問をしてきた。
「それにしてもその恰好…南蛮の?どこから来たんだい?」
黒っぽい生地にレースの付いた寝間着。確かに洋服だ。
「日本人だ」
「そうだよな。でも何で南蛮の?」
「それは…」
うん?待てよ。
何度も言うが此処は戦国BASARAの世界、つまりザビーが居る筈だ。ザビーは外国人、つまり洋服を着てても可笑しくはない。
トリップなんていう不可解な実態を説明するより、この際虚言でも理屈の通る方が良い。
「あの…実は私ザビー教の信者でして」
私は嘘が余り好きではない。それ故に嘘を吐く時は大抵敬語になる、らしい。相手に敬意でも払いたいのだろうか。自分の事なのに分からない。
「ザビー教…あぁ、あの南の方の」
「えぇ、ですから洋服を身に付けています」
「成る程!にしてもどうして木に?」
「それがあまり記憶がなくて…」
「ふーん、そっか」
「あ、そうそう、これアンタのかい?」
慶次は先程落とした私の携帯電話を差し出してきた。
「あぁ、そうだ。有り難う」
受け取って中を開けてみる。幸い画面も付くしデータも残っている。どうやら草木が良きクッションになったらしい。
そしてやはり電波は圏外だ。
「南蛮ではこんなのが流行ってんのかー」
慶次は興味深そうに携帯電話を覗き込んでいる。
そりゃあ珍しいだろう。未来の産物なのだから。
然し説明したら面倒だ、ここは何も言わない方が良い。
「そうだ、じゃあザビー教の方へ連れて行ってやるよ」
「本当か!?」
「あぁ、任せな」
ザビーに会えるのだろうか。
抑えつけていた好奇心が膨らむのを感じた。
「取り敢えず加賀に戻るか」
「加賀…あぁ、前田の…」
「お、知ってるのかい?」
「ええ、まあ」
「兎に角家で少し休みな。見た感じ荷物もなさそうだし、服とかも何とかしてやる」
私は目を見開いた。それは迷惑を掛けるという事に値する。
何故こんな胡散臭い奴を信じれるのだろう。
何故こんなご好意を得られるのだろう。
私は嘘を吐いているというのに。
「何故、そこまで…?」
「何故って、俺アンタが悪い人には見えないんだ。それに結構好みだしさ」
へへ、と無邪気に笑う姿が何だか亜真に似ている気がした。
2011.07.29
編集 2011.07.30
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たった3ページの更新に1年くらいかかりました!ご免なさいいい!
赤緋様にも本当に迷惑をお掛けしました!
本当に本当にご免なさいっ!
これから頑張って挽回していきます!
どうぞこれからも宜しくお願い致します!
ちなみにこのままザビールートへ突入…は有り得ませんので^^←
次は赤緋、宜しくお願いしますm(__)m