自然だらけの土地をキョロキョロを見回しながら、時には慶次に問い掛け、その答えにふんふんと納得していた。
幾度目かの沈黙が訪れた時に、ふと気付いた。
私はコミュニケーション力が乏しいという事に。
別に今まで人と全く接しなかったわけではない。亜真や家族、先生やクラスメートとも喋ろうと思えば喋れるし、愛想がないなりに会話は続いていた。
しかし今、慶次と何か話そうにも話題が思い付かない。嘘を“嘘”と見抜かれてしまわない為には、多くを語ることは禁忌に値する。だから他愛ない話をしようにも何も思い付かないのだ。
これは困った。
慶次も馬の手綱と私の手を引きながら、加賀の地を味わうように踏んでいる。
どうしたものかとポケットに手を突っ込み、携帯電話に触れた時、ふと亜真の顔が浮かんだ。
そうだ、私に呑気に喋っている暇はない。考えなければならない事は沢山あるのだ。
亜真は今どこにいるのだろうか。彼女もやはりこの世界に居るように思えて仕方がない。
普通こういう時は一番好きなキャラの所か一番嫌いなキャラの所に行くものだと思っている(あくまで主観)のだが、私は慶次の事を嫌いでも好きでもない。正直ゲームをする時もあまり選ばないキャラだ。いつもザビーを愛用しているのだから当たり前なのだが。
だから3でザビーが操作出来ない虚しさは本当に辛かった。
いやまあそれはさておき、つまり亜真の一番好きなキャラである長曾我部は有り得ないという事だろうか。
分からない。亜真に会いたい。元気だと安堵したい。
彼女が辛い思いをする前に、私が傍に居なければ。それが私に出来る唯一の事なのに。
くそ、自分に嫌気がさしてくる。唇をぐっと噛み締めた。
「鵺宵ちゃん」
ふと名を呼ばれて現実に引き戻される。思い出したように手から熱が伝わってきて、氏心音が煩い。
よく見れば大きな屋敷のような家の門の前に辿り着いていた。
「…屋敷…?」
「俺の家だよ」
思わず目を見開いた私に、穏やかな笑みを浮かべる慶次。
そんな事がある訳がないのに。
私の心中なんて意に介さないような緩やかな風が、2人の長い髪をふわりと靡かせた。
(一体、どういう事なんだ…?)
2011.12.07
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何か、完全にザビールート目指してるんですが←
しかも意味深な終わり(笑)大好きです、こういうの←
てかすみませんっまたまた遅くなりました!
赤緋さんっ、本当に迷惑ばかり掛けてすみませんっ!
本当にどうしようもない奴ですみませんっ閲覧者の方々!
次回はちゃんと慶次ルートに行きます。
宴が買いたい今日この頃です。ではお次、赤緋様!お願い致します!
吟音でした。