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05 >> 私は元気です。  [2/4]

 


「こいつが今日から俺たちの仲間になる亜真だ!いじめんじゃねえぞ!」



元親さんがそれだけ言うと、あちらこちらから声があがる。
どうやらそのなかに私を非難する声はないようで安心。まったく日が暮れていないのに、さっそく宴会は始まった。
先ほど元親さんと一緒にいた部屋を出、やって来たのが最初に横切った長い廊下の前の部屋。
部屋と部屋の仕切りがないのを少し不思議に思っていたが、このような広い部屋ならそれも頷ける。
普段はきっと障子が無いのだろう、長く並んだ襖がところどころ歪んでいる。
それに何よりそこかしこの畳についている角のある跡。きっとここでからくりの材料を検品したりしているに違いない。
作る場所は倉庫っぽい蔵みたいなところだって知ってるから。



「いや、アネキ、その着物似合ってますねぇ!」
「本当ですか?うわあ、ありがとうございます!嬉しいな…でもアネキって呼ばないでくれませんか?」
「え、でも、上座でアニキの横に座ってるじゃないですか」



この宴会場に来る前に私は元親さんの手によって落ち着いた、ともすれば薄紫にも見える桃色の着物に着替えさせてもらった。
幸いなことに襦袢くらいは一人で着ることが出来たので肌は晒していない。教えてくれたお母さんありがとう!
さて、この城に女性はいないらしい。それなのに私が着せてもらっているそれは女物だ。
では、誰のものか?
…やっぱり姫若子時代の物かなあ。写真撮りたいけど制服と一緒に置いてきちゃったしなぁ。



「それは私が人見知りだからですよ、元親さんが気を遣ってくださってるんです。」
「…そうですかねえ?」
「そうですよ、だって初対面ですしね。」



しかし、私はいつまで上座に座っていればいいのだろう。
まさか人生の半分も行ってないのにたった十センチほどの段差にこんなに気苦労を感じるとは。
それに加え、今は当然その場に座るべき人も居ない。宴会場を一人一人に声を掛けて回っているのだ。さすが、と言うべきだろうか。
前ドラマCDで聞いたときの野郎共さんとの掛け合いとは大分違う。何と言うか、アニキと呼ばれ慕われていても上下の差ははっきりと分けていた、ような。
でも今はそれを感じない。どういうことだろうか。
まさかドラマCDが嘘だったとは思わないが、今見ている光景が嘘だとも思えない。
一つはっきりわかっているのは、ドラマCDと今の元親さんが決定的に違うと言うこと。



「すいません、ちょっと聞いても良いですか?」
「あ、アネキ!何ですか!?」
「アネキじゃありませんって。元親さんって、いつも宴会のとき、あんな感じなんですか?」
「え?そ、そうっすね。俺らの事気にかけてくれるし…いつもと変わりないと思いますが」
「そうですか…。じゃあ、機嫌悪いときとかは?」
「?機嫌悪いときに酒盛りしたことないんでそれはちょっと…すいません、」
「あ、いえいえ、こちらも変な事聞いてすいませんでした」



(…まじでか。)

じゃあ、CDとこの実物のずれは何だ?
……そう言えば、あの頃の元親さんは色々考えることがあったから…織田とか織田とかね!まだ豊臣じゃなかったんだよなぁ。

…うわああん!宴会って聞いた時から思ってたけど、宴欲しいよー!てか欲しかったよぉお!でも本体持ってないしお金もないから買えない!
そういえば宴で思い出したけど、3ではザビー使えないから嘆いてた…というか落胆してたなあ、鵺宵。
何でザビーを、というかザビーのどこが好きなんだろう?いつも聞いてたし台詞も一言一句思い出せるけど、やっぱ理解できないや…

って、じゃなくて!
私は今このずれを解消したいんだよ!多分CDのときは松永とかもいろいろだったからだと思うんだけど…とりあえず今はいつなのか知らなきゃ…
自分から人に話しかけるの苦手なんだけどなぁ…。仕方ない、か。



「あの、すいません、」




 

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