2019/12/08 発行 Lacrimosa
出番19「Lacrimosa」あとがき。
重大なネタバレが含まれますので、18巻未読の方は特にご注意ください。

こちらは、当サークルではおそらく最初で最後になるであろう、サー・ナイトアイ夢本です。

もしかしたらサーは自分の死も予測していたんじゃないか、そういう解釈から生まれたお話です。
オールマイトを最後に人の人生を見るのをやめた、と原作でありましたが、それまでは見てきたわけですよ。いろんな人の人生を。その中に、彼の葬儀の場面があってもおかしくはないんですよね。
たとえば、弔辞なんかは絶対オールマイトが読んだんだろうし、38という彼の年齢を思うと親兄弟も生きてるだろうと。
幼いころ予知で見たお葬式の光景、遺影のおじさんに、自分がどんどん似てきていることにある日気がつくナイトアイ少年。どんな地獄だ、それ。
でもだからこそ、サーはあんなに焦ってたんじゃないかなと思うわけです。
自分の葬儀に出る、痩せたオールマイト。そのあと訪れるマイトの死も見えている……けれどその時すでに死んでしまっているだろう自分は、オールマイトを護れない。
どんな絶望だ、それ。
などと、つらつらと考えつつ、サーでなにか書けないかなと思い続けることしばし。(注・以上はあくまでもわたしの想像です)

そうしたらある日、突然ネタが降ってきたんですよ。
調剤薬局で着物雑誌の帯留の特集ページを見てた時なんですけど、そういえばすごい帯留があったよな……あれを使ったらどうだろう……と。
その後はまぁ、早かったです。脳内映像があっという間に出来上がる。
ただ書き始めてみたら、一時間ドラマくらいかと思っていた話が二時間半のスペシャルドラマくらいのボリュームになってしまって、結果、前後編合わせて約二万文字という、そのまま薄い本にできそうな文字数の話になり…そしてこのたびサー側の話を書き足して、薄いブックになりました。
サーが自身の死を予知していたことについてもそちらでちらっと触れています。

おまけで実にどうでもいい情報をいくつか。
その1「ニキモトの源氏車」のモデルは「ミキモト」の矢車です。あれは日本が世界に誇る最高のジュエリーです。実に美しい。
長年行方不明で、あるときサザビーズのオークションに登場しミキ〇トに戻った逸話とか、組み替えができ、帯留だけでなくブローチや指輪、簪等、12通りの使い方ができる等々入れたいエピソードがいくつかあったのですが、いろいろ考えて割愛しました。
ちなみに、矢車には姉妹品はありません。

その2 夢主が昔アイドルやってて、プリユアのミュージカルに出てたとか、でもそのあとは泣かず飛ばずで、夢破れて地元に戻ってきて調理師学校言って小料理屋を継いだ……的な設定もちらっと考えたのですが、ストーリーには関係ないし、盛り込み過ぎはよくないな…と思ったのでこちらもはずしました。

その3 地主の泉谷さんのモデルはおなじみょうじのあのひと。ああいうタイプだったらサーにもグイグイ行けるんじゃないかと思って作りました。モデルがはっきりしてたから、会話の運び方がイメージしやすかったです。ちなみにあの爺さんの名前はしげお。
しかしこれ、ホントどうでもいい情報だな(笑)

その4 BGMというかイメソンというか
米津玄師   「Lemon」
福山雅治   「最愛」
モーツアルト 「レクイエム ニ短調 K.626」

その5 装丁とか
久しぶりにちょ古っ都製本工房さんに印刷をお願いしました。
こちらの印刷所さん、カバーなしで少部数なら最強だなぁと思います。
表紙はざらっとした画用紙っぽい用紙…アラベールスノーホワイトにマットPPをかけてみました。予想通り、ぬめっというかしっとりというか、不思議な手触りの本になり、とてもとても満足です。
本文は淡クリームキンマリの72kgです。
表紙のデザインはわたくし頑張りました。フリー素材の写真に筆記体フォントをぺたりこしただけですが、まあ、そう悪くはないんじゃないかな…と思ったりしてます。

長文にもかかわらず最後まで読んでくださりありがとうございました。
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月とうさぎ