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恋愛数値
▼2022/04/25/04:46



「兄上、縁壱は本日も綿津見うみより深く貴方を
 愛しております!」
「あ…あぁ…、ありがとう」


 此れは
 朝、目覚めし時の会話


 其れから

 五分と空けず
 縁壱から愛情表現ラブコールの嵐が吹き荒れる


 朝食を摂りながら

「嗚呼、なんと御慕わしい唇…卵焼きにくる
 兄上も食べてしまいたい」


 洗濯物を干しながら

すがしき兄上の香り…縁壱を誘っておられる
 のですか?愛らしきこと此の上も無し」


 部屋の掃除をすれば

「縁壱も兄上の御手にて、隈なく綺麗にして
 頂きたい…愛しております兄上」


 家事の合間に茶を飲みつつ
 ひと息つけば

「兄上なんと艶めかしき御姿…縁壱は兄上の
 湯飲み茶碗になりとう御座います」



 ほんに
 何なのだ縁壱コイツは…
 
 
 然れど縁壱は
 我が背の君おっとであるゆえ

 誰よりも愛おしきことに
 嘘偽りは無し

 が、恥ずかしく思うもしんであり…


 

「…、よ…縁壱?」
「はい、兄上」


 昼餉の後

 縁壱に抱きしめられながら
 ソファで読書をしつつ

 挫けそうになる己を叱咤し
 意を決して言の葉を紡ぐ


「そ…の、私の顔を見るたびに愛らしいだの
 好きだのと申すのは恥ずかしい故…」
「兄上に愛を囁くのを止めよ、と仰られるの
 であらば無理に御座います」


 ぎゅうと力を込めて
 抱きしめられ

 首筋を心持ち強めに噛まれる


「いッ…、いやその、少しで構わぬ…言の葉
 にする頻度を減らしてはもらえぬか?」
「……兄上は縁壱が好きだと申し上げるのを
 嬉しく思っては下さらぬのですか?」

「いや…う…嬉しい…にはうれしい、のだが 
 やはり、其の…大層恥ずかしく…」
「…わかりました。兄上の仰せのままに」
「縁壱すまぬ…」


 縁壱が私を
 深く愛してくれているのは

 十分に伝わっておる

 私も同じく
 縁壱を愛しているから、と

 そつと口吸いキスすれば

 幾分か寂しそうに
 微笑みながら頷く表情かお

 心がチクリと痛んだ…
 
 
 


 
 




 


 五分程経過したのち






「その…、よりいち?」
「はい、兄上」


 相変わらず
 私を背後から抱きしめておるが

 眠っているかと思うほど
 静かな縁壱


「その、あれだ…」
「縁壱からの愛の囁きアイシテルが欲しくなられました
 か?」

「否、その…べ、別に…」
「…兄上」


 嗚呼
 その声、その顔

 私を魅了して止まぬ…



「よりいち…」
「御無理をなさらずに、素直に仰れば宜しい
 のに…」


 耳元であまく囁かれ
 耳朶に、頬に口付けられる

 

「…ッ(素直に言えたならば斯様に悩んだり
 せぬわ!)」



 



 仕方…なかろう?



 よもや
 一緒の空間に在りて

 五分以上

 縁壱に『好き』だと
 言われぬことが


 斯様にも不安で
 心細いなど

 思わなかったのだから…



 悔しいが
 お前のこと、大好きだ!










********************
 縁壱さんは毎日昼夜を問わず
 1分と空けずに

 兄上に熱烈なる愛を囁いている
 イメェジ (⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝)
 
 恥ずかしいと思いつつも
 其れが当たり前になっていた事に

 ふと気付き上が
 縁壱さんに益々溺れてくれたら嬉しい
 







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