リブレとホウカ






※本編終了前の話※


相変わらず俺はシュイと共にブラブラしている。半ば旅みたいなことになっている気がしなくもないが、まあ、いい。そういうの考えるの面倒だし。そんな俺は今カイナにいる知り合いの店にお邪魔している。店といても出店?露店?てやつ?なんかとりあえず市場な。ちなみに知り合いっつーのは、ぬいぐるみ売りのばあちゃんだったりする。なんでも腰を痛めたらしい。だから俺が代わりに店番って感じだ。だから店番ついでに手作りのアクセも売ることにした。

「あら、今日はいつものご老人じゃないのね。」

「いらっしゃい、お姉さん。俺は臨時の店番。ばあちゃんなら腰を痛めたとかでいないぜ?」

あら、それは大変ね、と驚いた様子のお客さん。青にも銀にも見える髪のその人はどこかで見たことあるような、ないような…。ま、いっか。

「お姉さん、今日は俺の作ったアクセもあるんだけどどう?」

「アクセ……?」

首を傾げたお姉さんにこれだよと指をさす。手作りだけど既製品にも負けてないだろ?と言えば、肯定が返ってきた。お、冗談で言ったつもりだったけどそう返事が来るのは嬉しいものだ。色々と興味深く見ていたお姉さんだったがあるものを見つけると動かなくなった。気に入ったものでもあったのか?

「ねえ、店員さん。これはどこで手に入れたの?」

そう言ってお姉さんはピアスを手にとった。おっ、お目が高いね 。でも値段じゃなくて手に入れた場所…?

「えっと、普通に拾った石だけど…。虹色に光ってて綺麗だろ?」

「ええ、そうね。これいくら?」

「あー、それ材料費そんなかかってないから………1000円でいいよ。」

「はぁ…!?……って、ごめんなさい…!」

思わず出てしまったと言うように急いで口を手で塞いだお姉さん。まさか流石に1000円じゃ高かったか!?材料費はかかってないとはいえ珍しいものだからちょっと高めにしてみたんだが…。

「1000円ってやっぱ高いっすか?」

「高くなんかないわ!むしろ安すぎるわよ!!あなたこの石なにか分かってるの!?」

「え、知らねーけど……っていうか、それそんなすごい石なの…!?まじか!」

「これ買うわ。はい、1000円。」

ほらと急かすお姉さんから慌ててお金を受け取り商品を包装する。まいどあり〜と言ってお姉さんに差し出せば受けとろうとしない。まさかやっぱいらないとか言うつもりか?

「あの…?」

「それ、あなたにプレゼントよ。あなたが拾ったんだもの、大切にしないとね。」

あとこれ、私の連絡先といつの間に書いたのか一枚の紙を寄越したお姉さん。逆ナン?と聞けば好みじゃないと一蹴された。酷い。

「あなたのアクセサリー気に入ったわ。それに、そのピアスについている石の話もしいないといけないでしょう?」

だから後で連絡ちょうだいね、とだけ言ってお姉さんはいなくなった。
この時にはまだ俺はこのお姉さんがあの有名なデボンのお嬢様で、チャンピオンの妹さまで、伝説のコンテスト制覇者という凄い人で、そんな人に振り回される未来があることなど想像もしていなかった。




運命の出会い?

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