今日はシュイが出かけろって言ったから出かけた。まあ、言われたというよりはグイグイとドアまで移動させられたわけだが。シュイ、いっつも思うけど、お前どこにそんな力あったんだよ。
めんどくさい外出は基本したくない。買い物だって頼めるならホウカさんに頼むし。まあ、頼んだら頼んだ分きっちり報酬を求められるから、それはそれで面倒だが。
まあ、そんなことは置いといて、俺はそんなこんなでカイナから帰宅。あー、今日は出かけて正解だと珍しく思う。久しぶりに面倒だとは思わなかった。むしろ、めんどうなのは今からだ。
「なんでいるんスか、ホウカさん…。」
「あら、お客様に向かってその口だなんてリブレは相変わらずね。」
「今日は休業っスよ、休業。」
だから帰れという意味を込め手で追い払う仕草をしてもホウカさんは気にせずシュイと遊び始めた。シュイイイイイイイイイ!!!!!
「ちょ、シュイ!?お前、ボール!?え!?」
「あら、シュイちゃんなら私を見た瞬間に勝手に出てきたわよ、ねえ、シュイちゃん?」
うふふと上品に笑うホウカさんとホウカさんの言葉に同意するように鳴いたシュイ。……シュイ、そんな悪魔やめておけよ…俺がいるじゃねーか……。はぁ…。
「ちょっと、リブレ。失礼な事考えてないでしょうね?」
「それよりも、ホウカさん、依頼なんスか?めんどくさ…。」
「(話そらされた…!)……これ、明日までお願いね。材料は持ってきたから安心して。」
「は!?明日!?……めんどくさ…。あー、はいはい。それなりにはもらいますからね。」
もういい、怒るのもめんどうだ。ホウカさんが持ってきた材料をざっと机に並べ、作業する。あの人勝手に部屋入りやがったな…、道具までおいてあるし。
「あ、そういえば、ホウカさんがよく言うシズクってやつに、今日会ったんスよ。」
「あら?どこで?」
「カイナ。」
「まあ、珍しい。あなた、遠出してたのね。それで?」
「最初は忘れてたんスけど、帰り際にそういや、ホウカさんがよく言ってるシズクと特徴が似てるなって思って確認とったら本人だったわけ。」
「あらあら…、世間って狭いわね。」
「そうっスね。そんで、もう一人いて、サチコっていう女の子だったんスけど、こいつか面白いのなんのって!」
今思い出しても笑える。ビーズでイーブイ作っただけなのに魔法がどうとか、あー、もう笑える。つか、まじでなんていうかアイツおっちょこちょいすぎる。あれは、シズクが過保護になるのがわかるっていうか、って、あれ?
ラッキーボーイは気づかない
「……そういえば、今日はなんもなかったな?」
「え?」
「何にも拾ってないし、特に目立ったラッキーがなかった。いや、でも行く時とあいつらと別れてからは、ラッキーだったのか…?」
「リブレ、大丈夫?」
「…まあ、平気っスね。帰りはいつも通りだったし。」
「なら、いいけれど…。とりあえず、明日取りに来るからよろしく頼むわね。」
「はいはい…。」