第4Q
「それではこれから、誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます」
コート(片面)の真ん中に誠凛と海常のスターティングメンバーが並ぶ。少々トラブル(?)があったが(「誠凛早く5人整列して下さい」「あの…います、5人」「「……おおぇ!!?」」)(やはり黒子の影の薄さには強豪校でも驚いた)。
「話にならんな……大口叩くからもう少しまともな選手が出て来ると思ったが」
「……どうですかね。まあ確かに……」
「まともじゃないかもしんないスね」
誠凛サイドではカントクが海常のスタメンの身体能力を視ていた。服の上からなので全てが視える訳ではないが、流石は全国クラス。その数値はどれもこれも皆半端ではない。此方のフィジカルは完全に負けだ。黒子と火神という攻撃力抜群の戦力がいるとは言え、彼らの力が一体どこまで通用するのか。
ホイッスルが鳴り、ボールを先取したのは海常。主将である4番がそれを受け取ってチームメイトに声をかける。ベンチで見学する冬玖は溜め息を吐いた。
『おいおい……』
「んじゃまず一本!」
『そんなに悠長にしてっと──』
「キッチリ行くぞ!」
『──影が来るぞ』
瞬間。4番の手にしていたボールが消えた。
『ホラ見ろ』
どこから湧いたのだと驚愕する4番は、ボールを弾いた犯人…黒子を振り返る。慌てて追いかけると思ったより遅くあっさりと追い付いたので、すぐさま取り返すべく彼の行く手を阻んだ。しかしボールはまた消え、別の者に渡る。
「あ!?」
『注目すべきは
黒子だけじゃない』
待ち構えていた火神だ。片面という事もあって、パスを受け取ったその場所はもう既にフリースローライン。彼は思い切り踏み切った。
『侮ること無かれ』
ボールを持つ右手に力を込めてしっかり握り、そして。
「くらえ!!」
『これぞ正しく「猛虎襲来」なり、ってな』
勢い良くゴールリングへと叩き込む!
バキャッという轟音を立ててゴールは大きくしなった。軽やかに着地した火神はその音と自分の手に違和感を覚える。見下ろしてみればなんと、先程ボールを叩き付けたゴールリングが自らの手にぶら下がっているではないか。
もしかして:ぶっ壊した。
「「なんという事をしてくれたのでしょう!!」」
ボルトが一本錆びてる?
年季が入ってる?
インテル入ってる?
にしてもこれはないだろう!!
阿鼻叫喚である。
ぶっ壊した
犯人本人とその
共犯者パートナーはというと、呑気にゴールリングが意外と大きい事に感心していた
それをついさっきお前らがデストロイしたんですがね。
「
片面」のゴールが片方だけになってしまった今、此方側で試合を続行するのは不可能だ。火神の「どうする?」との問に黒子は当然といった風に答える。
どうするって……
「まずは謝ってそれから……」
「すみません、ゴール壊れてしまったんで」
「全面側のコート使わせてもらえませんか」
「
全面」使うしかないだろう。
***
『俺いらなくね』
「そう言わずに」
*****
〜「猛虎襲来」について〜
日本史「元寇」の方は「蒙古襲来」と書きます
本文の方だと某球団の応援歌です
火神は原作で「虎」と表現されていたので「猛虎」にしました
いつも以上に適当極まりない
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