Main


※原作のキャラは一切登場しません
世界観を借りたオリジナルストーリーです
名前もこの世界独自のものになります
流血表現注意


《──Mein F*hrer ...》
(──総統閣下、)

《──Steiner ...》
(──シュタイナーは、)

《──Steiner konnte nicht gen*gend Kr*fte f*r einen Angriff massieren.》
(──シュタイナーは攻撃に必要な兵力を集結させる事は出来なかったのです)

《──Der Angriff Steiners ist nicht erfolgt.》
(──シュタイナーの攻撃は成功しませんでした)


携帯から聞こえるテノールボイスの朗読に耳を傾け、黒髪の青年は身を起こす。薄いシーツが肩からサラリと落ちた。


《おはようプルース》
『……ああ、おはよう。今日は良い天気だな』

《『飛び下りたくなる程(うつ)くしい曇天だ』》


プルースと呼ばれた青年は気怠げに寝台から降り、着替えを始める。その間携帯からまたテノールの声がかけられる。


《今日も仕事だプルース》
『どうにかなんねぇのかこれは』
《どうやら上は労働基準法をご存知ないようだ》
『勘弁してくれ』
《この間俺から週休二日を要求をしたが、》
『結果はご覧の通り、か。畜生め……』


げんなりとした顔でテノールの言葉の受け答えをするプルース。どうやら殆ど休み無しで働き詰めのようだ。テノールの方も心なしか申し訳なさそうな様子。これはもう割り切るしかないのか。ブラック企業め。


『……今日の仕事は何だ?』
《──「ヒトラーの権化(モストタイラント)」》


ターゲットは孤児院から引き取った子供に人を殺させる元軍事関係者。手ずから殺人技術を教え込み自分は手を汚さず高みの見物、そして時には年端も行かない少年少女達に暴行を加える外道極まりない変態傍観者(アブノーマルバイスタンダー)だ。被害者は大人から子供まで幅広い。

子供のみで結成された暗殺集団「ヒトラー・ユーゲント」。その由来は青少年に政治的、軍事的教育をする事を目的に組織されたナチス・ドイツの青少年団から来ている。


《此処までで何か思った事は?》
『殺るなら自分一人で殺れ、ヤるなら売春婦とヤれ』
《御尤も》


面倒な事になった、とプルースは頭を掻く。これは「ヒトラーの権化」の出方次第で状況は二転三転する事になるだろう。

一通り身仕度を整えたプルースは腰に三日月型の武器を付ける。それはかなりの大きさだったが羽織っているコートにより見えなくなった。

通話中の携帯を胸ポケットに入れ外へ続く扉を開けた。


《準備は?》
『悲しい程に万端』
《……もう一度週休二日を要求しておこう》
『頼む』


テンポの良い掛け合いの後、プルースは曇天の街へと歩き出したのだった。


Das war ein Befehl!
命令したのだぞ!

Der Angriff Steiners war ein Befehl!
シュタイナーの攻撃は命令だったのだ!

Wer sind Sie, dass Sie es wagen, sich meinen Befehlen zu widersetzen?
一体何処の誰が、私の命令に反逆するなどという大逸れた事をしようというのだ!

So weit ist es also gekommen ...
そこまでの事をしようというとは、

Das Milit*r hat mich belogen!
軍部は私を欺いていたのだ!

Verr*ter.
裏切り者め。

Von allem Anfang an bin ich nur verraten und betrogen worden!
最初の最初から、私は裏切られ、欺かれてきていたのだ。

Es wurde ein ungeheurer Verrat ge*bt am deutschen Volke.
これは途方もない裏切りだ。ドイツ国民への裏切りだ。

Aber alle diese Verr*ter werden bezahlen.
しかしこの裏切り者共は、皆報いを受けるだろう。

Mit ihrem eigenen Blut werden sie zahlen.
奴等自身の血で償う事になるのだ。

Sie werden ersaufen in ihrem eigenen Blut!
奴等は自分自身の血の中で溺れる事になるのだ!

- 7 -
prev|next