03
「俺は鬼殺隊の炎柱で、鬼狩りをしている」
「人間なのに?」

他愛ない話も交えながら、名前以外を伝えていなかったと煉獄が話し出すと、まっすぐな目で彼女はそう言った。

「ああ。いや、人間だからこそかもしれない」
「人間を守るために?」
「ああ」
「ふーん」

そう相槌を打って黙ってしまった。
何が気になって質問してきたのか全くわからない。納得しているような、していないような、理解できないような、そんな空気を纏わせている。
でも君も、人間を守るために鬼を狩っていたんじゃないのか、そう聞きたかったが、ぼんやりと先程焚いた焚き火を見つめる横顔に口を噤んだ。その心を察したかのように話し出したのは彼女だった。

「私は、人間が嫌い」
「……」
「都合のいい時ばかり頼るもの。普段は化け物だと罵って石を投げる癖に」
「では何故、村人たちを守っている」
「……」
「そう言うのなら放っておけばいい。でも君はそうしない。俺相手にも、村に手を出すのなら、と敵意を向けただろう」
「……あの村の子が、私を助けてくれたからよ」

山の中で倒れていた慧を見つけた村の子供が行き倒れなのではと、持っていたお結びをくれたのだという。怪我はないか、迷ったのかと心配をしてくれた。
子供の親が近付いてくる気配でその場を去ったが、その母親も子供の話を聞いて「えらい、いい子だ」と笑顔だった。




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