いるはずのないひと


彼がいなくなってから百年、

焼き付いた金色は消え失せることなく今でも鮮明に覚えている。

"お前はなんも心配せんでええ。すぐ戻る。"


そう言った彼は未だわたしの隣にはいない。

大切な人を失ってしまったのは何もわたしだけではないのだが、
時は流れ瀞霊廷も百年前とはすっかり色が変わってしまった。

白い羽織に刻まれた五の字も
今では別の人の背中にある。


わたしは前に進めているのだろうか。


「おや、名前ちゃんじゃない。
休憩かい?
ボクも混ぜてよ〜。」

「春水さん。七緒にまた怒られますよ?」

「だあいじょうぶ、七緒ちゃんには休憩してくるって言ってあるから。

それにしても名前ちゃんがここに来るのは久しぶりじゃないのかな?」


瀞霊廷の東にある小さな丘、
キラキラと眩しい金色を眺めて過ごした時間がそこにはあった。

もう何年も足を運ぶことはなかったけれど、
百という節目に気づけはここにいた。

「心配いらないさ、君は独りじゃあない。そうだろう?」


そう言って頭に乗せられた温もりに包まれてまた上を向く。



そこにあなたはいないのに
温もりを求めて来てしまう

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