餌付けされたのは果たしてどちらか


「ミヤビこれ要るか?」
「ん、食べたい」
「ほら」
「あーん」

ぱくっ

「美味しい〜」
「だろ?」
「だろ、じゃねェよ!作ったのおれだ!」

まァ、思わずサンジが怒鳴るのも無理はねェな。
おれ、ナミ、ロビン、フランキー辺りでちょこちょこ起きるゾロとミヤビの距離感についての会議(というか情報交換)。

普段はまだ良いんだが食べ物が絡むと途端にアイツらの距離感はおかしくなる。
元はいつだったか…かなり昔だと思うが、ゾロがミヤビのフォークに刺したなんかのメシをそのまま食べたんだ。強引にあーんしたような感じ。
その時のミヤビは茹でダコみてェに真っ赤だった。

それで味をしめたのか、度々食べ物を奪うとこから始まり、とうとうゾロがせがめば照れながらもミヤビがあーんをするようになってた(サンジは騒ぎ散らしていた)。
その時にこれは共有するしかない、とおれは立ち上がったワケだ。

そうこうしてるうちに今度はゾロがミヤビにあーんをするようになった。
なんかもう気付いたら、だ。
恥じらいながらもゾロからの食べ物を受け取るミヤビはいかがわしい事をしてるように見えなくもない。

おれらはミヤビは純粋な仲間として見てるが、ゾロはどうなんだろうな。

「ありゃホの字ってモンだぜ。まさかアイツに春が訪れるとはな…」
「うふふ、ミヤビも満更でもなさそうよね」
「ミヤビはあんな奴には勿体ないけどね!」

おれらの意見は大体こう。
おれは2人が幸せな良い、派だ。

そんなおれらの気持ちも知らず、ある日事件が起きた。
いつものようにみんなでメシを食ってた時。当然のようにゾロの隣にミヤビが座っている。
ここまではいつも通りだった。

問題は食べ始めてから起きた。

「ミヤビ、ソースが口の端に」

ゾロと逆隣に座ってたロビンがミヤビの口の端が汚れているのを拭おうとした。
その時、ゾロがやや強引気味にミヤビの顎を掴み、自らの方に顔を向かせた。
それだけでもおれらは驚きだったけど、

ぺろ。

「「…!?」」

ミヤビについてたソースがゾロによって舐め取られた。
おれらは全員唖然としてる。当人2人を除いて。

「みんなの前でそういうのは…」
「ん?良いだろ、そろそろ」

「お、お前ら…!?」

おれもさすがに驚いた。
まさか、

「あァ。おれとミヤビは付き合ってる」

そう言ったゾロはニヤリと笑ってミヤビの真っ赤になった頬に口付けた。

「「えええぇぇぇ!?!?」」

おれらは絶叫した後にカップル誕生のお祝いと称した宴の準備を始めた。

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