かと言って死んでいいわけじゃない
「へ…?」
私は涙とか色んなものでぐちゃぐちゃな顔をさらに間抜けな顔にしたと思う。
今、キャプテンなんて…?
「だから、好きだと…ッ!?!?」
キャプテンも今気づいたみたいなリアクション。そして聞き間違いではなかった。
「キャプテン…わたしのこと…?」
「あー、いや、その…っ」
初めて見る顔の赤いキャプテン。
私の心臓がどくりと跳ねる。
(そんな顔…ずるい…)
しかもこんなに歯切れが悪い。いつも切れ味MAXなのに。オペオペの能力と同じぐらい。
「忘れた方がいい?」
「そんなことねェ」
力強く肩を掴まれ若干凄まれれば分かったと了承するしかなくなった。
「言っちまったが本音には変わりねェ」
腹を括ったらしいキャプテンが真っ直ぐに私を見てくる。グレーの瞳の奥はなんだか燃えているように見えた。
「ただ自覚したのは最近、というかついさっきだ」
「え?」
「そしたら…気付いたら口に出てた」
今度は拗ねたように口を尖らせるキャプテン。ドレスローザに行ってる間に表情がとても豊かになったのかもしれない。
「本当はずっと前からミヤビの事好きだったのかもしれねェ」
「前にも言ったと思うがお前の泣いてる顔は心臓が痛くなる」
刺青の入った綺麗な手が黒いシャツの左胸を強く握った。
「これは言ってなかったが…」
「笑顔にはなんというか、ほっとすんだ」
「…っ」
私今絶対顔赤い。
恋愛に疎い私でも目の前の人が私の事をかなり好いているのを言葉にされている。
それにずるい。こんなカッコイイ顔でそんなこと言われたら。
「えっとね、キャプテン、」
私はカラカラの喉から声を絞りだす。
キャプテンは黙って私を見つめている。
「そんなふうに言ってもらえるのは嬉しい、けど、」
「けど?」
「ちょっと自分の気持ちを整理したい…」
キャプテンの顔がみるみる不機嫌になる。
「…か」
「え?」
「やっぱりロロノア屋か」
「ん?」
何を言ってるのだ、この人は。
「あんなにベタベタしやがって…アイツと居てェならそう言や良いだろ」
そっか、さっきのとかも全部、
「ヤキモチ…?」
「…」
ヤバい!思わず声に出てしまった。
焦って口を押さえるけどキャプテンの返答は意外なもので。
「そう…だと思う」
「思う?」
「あァ。今までは何とも無かったのにロロノア屋とミヤビがベタベタし始めたらすげェ気分が悪くなった。世間でいうヤキモチだろうな」
まさかあのキャプテンが嫉妬するなんて。
かなり爆弾発言してるの、気付いてないみたい。
顔どころか全身が熱い。
「ミヤビ?顔が真っ赤だが─」
キャプテンの刺青だらけの綺麗な手が私の頬に触れた瞬間。
私は後ろに飛ぶようにキャプテンと距離をとってしまった。
「ミヤビ、なんだ今の動き」
「いっ、いや、わ、分からないけど、でも、」
顔が真っ赤なのは自分で分かる。
「ミヤビ、ちゃんと話を、」
「だめ!きょ、今日は、麦わらの一味のとこに泊めてもらう!じゃあ!!」
「あ!オイ!」
キャプテンをその場に残し、私は麦わらの一味の誰かしらが居ないかと走りながら探し始めた。
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