わたしのすきなひとは
私の好きな人は……お世辞にもカッコいいとは言えない。
ガサツだし、ガタイがいいくせに怖がりだし、
お人よしの癖に頭はあんまりよくないし、仕事でも何かとミスや失敗することが多い。
……だけど、そんな短所を吹き飛ばすくらいの長所をたくさん持ってる。
兄さんが逮捕された時、慌てる私をなだめてくれたし、
……逆に私が逮捕された時、彼は刑事だっていうのに、真っ先に私の心配をしてくれた。
有罪判決に逆上した被告人から、私や兄さんを守ってくれたことだって数回ある。
だから私は、彼を嫌いにはならなかった。
……むしろ、好きになってしまった。
「自分……怜香検事の事が、異性として好きみたいッス」
「あら奇遇ね、私もあなたの事を異性として好きになり始めてたところだったの」
今日も彼はちょっと汚れたコートを着て、兄さんの側に。
ガサツで、ビビリで、お人よし。
………でも私は、そんな彼が好き。
「……私ね、やっぱり何があってもあなたのこと大好きなのよ」
「そ、そうっスか!?怜香検事にそんな事言われると、なんだか照れるっス……」
座って書類の整理をする彼の額に、ちゅっ、とねぎらいの意味を込めた小さいキス。
そのキスに真っ赤になって、お返しだと言わんばかりに頬に優しいキスを返してきてくれる彼に、
私はそっと笑って抱き付いた。
反対のようで一緒なの
(私の好きな人はちょっと残念なところがあるけれど、とっても優しいひと)
(だから私は、彼に恋をしたの。)
美女とやじゅ……おっとこんな時間に誰か来たようだ。
ちなみに、ちゅっちゅラブラブな二人の後ろでは、
ほかの刑事が「リア充爆ぜろ」の視線を送っています。二人は気づいてませんが。
20150610
加筆修正・20150624
加筆修正2・20151228