そんなこんなな日常

(再生屋兄弟弟子がくだらないこと話すだけ)



「……あ、こんにちはマクスウェルさん!お薬の補充ですか?」

「えぇ、はい……再生の受付ですね?こちらにご記入の上少々お待ちいただけますか?」

「すみません、お父さ……じゃなかった、師匠の与作は今外出しておりまして……」




「どうやったら師匠の遺伝子からあんな天使が生まれんだろうな」

「……思考ダダ漏れっすよ鉄平兄さん(あにさん)。引くわー。」


鉄平が見つめるのは、師匠である与作の娘であるフランベル。
ナインテールフォックスとの交雑種であり、再生屋見習いである。

……同じく与作の息子であり鉄平の弟弟子でフランベルの双子の兄であるフロランタンは、ドン引きした表情で鉄平を見つめた。



「それにしてもフランベルちゃんってほんっと可愛いよなぁ……頭いいし、優しいし、真面目だし……あーマジで俺をつがいにして欲しい」

「それをあいつの双子の兄である俺の前で喋れる勇気は素直に称賛するっすけど、正直ドン引きっすよ兄さん」

「フランベルちゃんに引かれるくらいなら死ぬ自信あるけどお前なら痛くもかゆくもねえ」

「うわっ堂々と言い切りやがったよこのリーゼント」

「それよりお前も手を動かせよ、全然再生進んでねえぞ」

「大体兄さんがくだらないこと話し始めるからだと思うんすがそれは」

「うるさい黙れノッキングするぞ」

「いやん理不尽。弟弟子をなんだと思ってんすかねこの人は」

「使い勝手のいいパシリ」

「てめえ正直に言い切りやがったな!今度フランベルに兄さんのあることないこと吹き込んでやっから覚悟っするっすよ!!」

「おうやってみろそんときはお前の心臓ごとノッキングしてやる」

「殺す気で来やがったよこの兄弟子……ろくでもねぇな……!」


裏で二人がそんな感じにくだらない話をしているともつゆ知らず、
フランベルは受付で待っていた人をさばき切ると「close」の看板をカウンターの上に置き、
鼻歌を歌いながらその場を離れる。


「……あ、フランベルちゃんの鼻歌だ」

「今日の客はもう居ないみたいっすね。じゃあ……ぼちぼち俺たちも休みますかね、兄さん?」

「そうだな、フランベルちゃんの特製ドリンク飲み逃したくねえし」

「やっぱりそれかよ」


「二人ともー!今日もお仕事お疲れさまでした!」


そうこうしているうちに、フランベルが人数分のグラスの入ったお盆を持って戻ってくる。


「サンキュー!ちょーど喉からからだったんだよな〜」

「お、ありがとなフラン」

「今日は上質なツヤツヤベリーが手に入ったのでベリージュースにしてみましたっ!ぬるくなるまえに飲んじゃってくださいね。」

「……ん、うめえ!フランベルちゃんは本当になんでも出来んだな……」

「ぷはっ、ベリーの甘酸っぱさが体に染み渡るっす……」

「あ、そうだ!今日の晩御飯はわたしが仕留めてきた美人鶏をローストするんですけど……鉄平さん、ベリーソースはお嫌いじゃないですよね?」

「あぁ、平気だ」

「じゃあ期待しててくださいねっ、おいしいの作っちゃうんですから!」

「おー!そりゃあ楽しみだな」

「フラン、鉄平兄さんの事考えすぎて焦がすんじゃないっすよ」

「……も、もう!フロ兄さんたら!!」


フロランタンにからかわれ、顔を真っ赤にして怒るフランベル。
それを顔を見合わせて笑うフロランタンと鉄平。

……そんなふうに再生所の一日はゆったりと過ぎていくのであった。






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最初の掛け合いが書きたかったんです……。
20190130

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