「俺が恋なんて絶対にするわけない」って、昔から思っていた。
……でもそんな思い込みは彼女を見た瞬間に、
まるで紅茶に入れた砂糖のようにさらりと消えてなくなった。
「あら……あなたがお父さんのお弟子さんの鉄平さん?……初めまして。」
「……わたしは娘のフランベルです。まだまだ見習いですけど……再生屋兼料理人をやってます。」
師匠のおかみさんの話によると、彼女は数年間料理人の修行をしていて昨日ようやく戻ってきたという。
その間にも再生屋の仕事を続けていたらしく、女の子らしい華奢な腕や手足のあちこちには傷が目立っていた。
1番目立つ目元の傷や、綺麗な金髪や赤い目から目を離せずにいると、彼女はふと顔を上げて俺の顔を見つめる。
……そして少しはにかんでこう言った。
「……鉄平さん、顔の同じところにわたしと同じような傷があるんですね。」
そう言うと、フランベルは鉄平を見つめながら自分の目元に刻まれた傷をとんとん、と指で指す。
……その瞬間、鉄平はまるで心臓がノッキングでもされたかのように重く感じた。
ああ、俗に言う「一目惚れ」って、こういうことなのか。
……「恋も地獄も落ちるもの」そんな言葉があったな。
そんなことを頭でぼんやり考えながら、鉄平は「そうだな」と少し嬉しさに跳ねたような声と屈託のない笑顔をフランベルに返した。
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み……短い!!
とりあえずフランベルに一目ぼれする鉄平が書きたかったんです……!!!
20190131