君が流したユメナミダ。


始まりはスキマから


「空亜、あなたは紫に頼んで別世界に送ります!」
「狽ミどいです映姫さま!いくらなんでもそれは・・・」
「駄目です!これも修行のうちです!」
「そんなぁ・・・」


私、大悪魔こと空亜は、
今危機に瀕しています。

それはなぜかというと・・・


〜〜〜〜〜〜〜回想〜〜〜〜〜〜〜


「仕事飽きたなぁ・・・。私大悪魔なのに、何でこんな仕事してんだろう・・・」

ちなみに私の仕事は、
小悪魔の世話と、罪人の処罰とあと少しの雑用。

「・・・つまんないー!飽きたー!罪人の処罰と子悪魔の世話は楽しいけど雑用嫌いー!」
「こぁこぁ!こぁこぁ!」
「何よ子悪魔5。」
「こぁー!」

小悪魔5が指差した先に居たのは・・・


「え、映姫さま・・・!」
「空亜ちゃん?なぜサボっているのかしら?(黒笑)」

めちゃくちゃどす黒いオーラを出した、
人間が言う閻魔大王で、楽園の裁判官こと、四季映姫様が立っておりました・・・!

〜〜〜〜〜回想終了〜〜〜〜〜

そして今に至ります。
つまり、私の態度がたるんでいるということで、
映姫さまは紫さまに頼んで、
私を別世界に送ろうとしているわけです。


「(もう諦めようかな・・・もういいや。別に。私大悪魔だし。寿命超がつくほど長いし。滅多なことじゃ死なないでしょ。)」
「・・・でも、何もナシで行くのも可愛そうですから、少しハンデを差し上げます。」
「・・・なんですか?(やばい、この人私を別世界に送る気満々だ・・・!)」


「一つ目は、その世界でもあなたの眷属の小悪魔を呼び出せるようにすること。」
「へ?」
「だってあなたは大悪魔ですし、小悪魔はあなたが居ないと働こうとしないから、迷惑なんですよ。」
「あ、あはは・・・」

映姫は、あせる空亜をよそに
淡々と話を進めていく。

「二つ目は、あなたの封印具を、2つだけ取って差し上げましょう。あ、でもネックレスだけは駄目ですよ。あなたの大部分の力は、その中ですからね。」

そう言って、映姫は空亜のネックレスを、
人差し指でつん、とつついた。

「じゃあ、このバングル!この両腕のバングル取ってください!これ、人間に化けたとき服合わせるの面倒くさいんです。」
「はいはい、じゃあ・・・」

そういうと、映姫はブツブツと
呪文のようなものを唱えだした。
すると・・・

カン、カララララ・・・


「と、とれた!(あ・・・力が少しみなぎるのが分かる・・・)」

空亜の両腕のバングルが取れた。

「さて、後は紫待ちね・・・」
「もう来てるわよぉ。」
「「煤I?」」

声がして、二人は驚いて振り向いた。
するとそこには、スキマから身を乗り出して、ニヤニヤと笑う紫がいた。

「散歩してたら、風の噂でその話を聞いたのよ。大体の事情は分かったわ。」
「いい世界があるの?」
「(戦いとかあまり無い世界がいいなぁ・・・)」
「いやぁね、この前退屈しのぎに別世界に行ったら、いい世界を見つけたのよ♪」
「紫様、そこはどんな世界だったんですか?」

おずおずと空亜は質問する。

「ふふっ・・・聞きたい?」
「は、はいっ!」


「あなたと同じような悪魔が存在している世界だったわ。でも、「祓魔師」なんてものも存在していたけど。」
「えくそ・・・しすと?」
「簡単に言えば、人間に害を及ぼす悪魔を倒す人のことを指すみたいね。」
「・・・悪魔・・・」
「(何か空気が重いわね・・・)ところでね・・・その世界で私、友達が出来たの。」
「友達・・・?」
「えぇ。あなたをその人のところに送ってあげるわ。面倒見てくれるはずよ?」
「へぇ・・・」

ニコニコ笑う紫に、空亜は
少しはにかんだ。

「あとね、その世界で美味しいものを見つけたのよ。」
「ふぇ?何ですか?美味しいものって・・・」
「バクダン焼きって言う食べ物なのよ♪修行が終わって、幻想郷に戻ってくる暁には、それを私にお土産に持ってきて頂戴ね♪」
「は・・・はい・・・(それ自分が食べたいだけじゃ・・・)」
「じゃあ、いってらっしゃーい♪」
「狽ヨ!?」


気づくと、空亜の足元には
大きなスキマが・・・!!

「何ですかこれ!?」

ズブズブと、少し気味の悪い音を立てて
空亜の体が飲み込まれていく。

「帰ってくるタイミングは私が判断するわ。」
「修行ついでに恋でもしたらどうかしら?」
「へ!?(狽ィ二人とも本当にひどいです!)」
「「じゃあ、いってらっしゃーい」」

紫と映姫の声が途切れるか途切れないかのところで、
空亜は完全にスキマに飲み込まれた。




「・・・本当にあれでよかったの?」
「・・・えぇ。」
「修行なんて建前作って・・・本当は空亜に存在意義を作ってあげたかったんじゃ・・・「それ以上言わないで紫。」
「映姫・・・」
「・・・私のわがままであの子が不幸になるんだったら、せめて私が少しでもあの子を幸福にしてあげなきゃ・・・」
「大丈夫よ。あの子はきっとあの世界で幸せになれるはずだから。」
「紫・・・」



その頃、スキマに飲み込まれた空亜は・・・


「うげ・・・何かココ気持ち悪い・・・何か視線感じるし・・・暗いし・・・」


そうブツブツ文句を呟きながらも、スキマに身を任せていた。
すると・・・

「あれ・・・意識が・・・とお・・・」


空亜は、意識を失った。

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