唐突な出来事
次の日。
また理事長室に呼び出された私は、
今度は小悪魔3を抱きしめながら理事長室に向かった。
「・・・今度はなんでしょうか」
「なんでしょーか、なんでしょーか!」
「またケーキショップに行って、アマイモンが注文したケーキをとってきて欲しいんです☆」
「ふざけないでください、こっちはテスト前で勉強しなきゃいけないんですよ?」
「ですよー、ですよー!」
「空亜さんなら満点確実ですから大丈夫です☆」
「はぁ・・・」
しかたないので、またアマイモンさんが注文したケーキをとりに行くことになった。
アマイモンさん、どんだけケーキ好きなんですか・・・
「空亜さまー、空亜さまー」
「どうしたの?」
「ケーキ、私と小悪魔2とで運びたいです。2個あるんでしょう?」
「うん、そうよ。じゃあお願いするわね」
ピィイーーーーッ
私は、指笛を鳴らして小悪魔2を呼んだ。
「空亜さまー!」
どこからか子悪魔2が飛び込んできた。
「じゃあ2人とも、人間に化けて。」
「「はーい!!」」
2人は、空亜が化けるときのように、くるっと回った。とたんに煙が立つ。
そして煙が晴れると・・・
2人の角や尻尾や羽根は消え去り、
愛らしい人間の少女に化けていた。
私は、小悪魔をつれて、
一昨日も行ったケーキショップのドアをあけた。
「こんにちわー。」
「「こんにちわー!!」」
「あら、空亜さん!ケーキを受け取りに来てくれたの?」
「えぇ、出来てますか?」
「出来てるわよ。はいっ!」
そう言って、優しい店員さんは
ケーキの箱を渡してくれた。
「はい、亜利亜、弧亜。しっかり持っててね」
「はーい!」
「あーい!」
「あらあら、お守?大変ね。」
「いえいえ、楽しいですよ。あ、ケーキありがとうございました。」
「まいどあり、また来てね!」
「はーい。」
「ありがとーございました!」
「ましたー!」
そして私は、店を出た。
「アマイモンさん、まだかなー?」
「かなー?」
「かなかなー?」
「あ、亜利亜!ケーキ斜めにしないの!」
「はーい!」
アマイモンさんがケーキを受け取りにくる約束をしていて。
私と小悪魔は、大人しくアマイモンさんを待っていた。
そのとき。
「・・・動くな」
どこからか女性の声とともに、
私の首筋に、冷たいものが当てられる。たぶん・・・剣か刀。
冷たい感触のするほうに顔を少し向けると、
ぴり、と皮が切れて血が出る感じがした。
前にも言ったけど、私は痛みを感じない。だから怖くもなんともない。
「・・・お前、何者だ?」
「私ですか?ただの一般人ですが?」
「そんなわけないだろう」
「本当ですよ。」
剣が首筋に強く当たる。
ちょっと、血で服汚れちゃうじゃないですか。
「「空亜さま!」」
何かおかしいと気づいたのか、小悪魔2と3が
ケーキを置いて、後ろに居る女性(?)を威嚇した。
「空亜さまをどうする気!?」
「空亜さまを離しなさい!」
「ハッ・・・やめて、亜利亜。あいつ剣持ってる!あと、聖水の匂いがする!危ないよ!」
「でも弧亜、空亜さまが!」
「・・・大人しくしていたらこいつに手出しはしない」
「亜利亜、落ち着いて!あいつもああいってるし、大人しくしてようよ!」
「・・・ぐっ・・・」
仕方なく、小悪魔2と3は引き下がる。
「・・・本当にお前、何者だ?」
「だから一般人ですって」
そのとき、女性の服かどこかについていた聖水が、私の腕に触れた。
「Σあっつ・・・!!」
「聖水に反応した?・・・お前、まさか」
「・・・!!」
「なるほどな、普通の人間が・・・」
そのとき、一瞬体が浮いた感覚がして。
気づけば、私はアマイモンさんの腕の中に居た。
「空亜、大丈夫ですか」
「アマイモンさん!」
目の前には、見覚えのある人物。
「や、山田さん!?」
「・・・誰ですか」
「私のクラスメイトです・・・でもどうして?」
「お前のことが気にかかったからだ。なぜ、ただの人間が八候王の1人、地の王のアマイモンと一緒にいるか気になってな」
「へ!?」
あ、アマイモンさんが
悪魔図鑑にもでかでかとのっている、
あの八候王の1人・・・!?
頭が一気にフリーズする。
「・・・チッ、分が悪い」
そう舌打ちをして、山田さんはどこかに消えた。
「大丈夫ですか、空亜。」
「だ、大丈夫ですよ、ええ。」
「血が出ています」
「大丈夫ですよ!私・・・痛みを感じないので・・・ひゃうっ!?」
アマイモンさんが、私の首の傷口に指を這わせた。
そして、指についた私の血をぺろ、と舐めた。
「はわわ!?駄目ですよ、私の血なんて舐めちゃ!」
「・・・空亜の血はおいしいです。」
「ええっ!?」
そのとき、足に抱きつかれた感覚が。
見ると、小悪魔2と3が抱きついていた。
「空亜さま、無事でよかったっ!!」
「空亜さま〜〜!」
見ると、2人の顔は涙でぐしゃぐしゃ。
私は2人を抱き上げた。
「・・・ごめんね、心配かけて。」
そうだ、私が居なくなったらこの子達は消えてしまうんだ・・・
「・・・ごめんね。」
そう思いを込めて、優しく小悪魔を撫でた。
次の日、私は塾で山田さんと会った。
昨日のことで少し気まずかったけど、私は勇気を出して、こう言った。
「あの、山田さん。今日よかったら・・・うちで夕食食べていきませんか?」
フードで顔は隠れてわからなかったけど、
きっと驚いていることだろう。
「・・・はっ、話したいこともたくさんありますし!」
「・・・わかった」
ふぅ、よかったー。了解してくれた。
・・・じゃあ、腕によりをかけて料理作っちゃおう!!
空亜の部屋にて。
小悪魔2,3とともに、てきぱきと空亜は料理を作っていく。
「ふんふん♪」
「・・・空亜さまー」
「なぁに、小悪魔2?」
「あいつ、本当にココに呼ぶんですか?私、あいつ気に食わないです!」
「私もー!」
「空亜さまを傷付けるなんて!私たちの大事な女王様を!」
「今度見かけたら、こてんぱんにやっつけてやるもん!」
「「ねー!」」
「・・・こら二人とも、そんな事を言っちゃだめよ。あの人もきっと何かあるのよ。」
「「でもー」」
「・・・でもじゃありません」
空亜は満面の笑みを浮かべながらも、
尻尾をうねうねとさせ、何か恐ろしいオーラを出していた。
それを見ると、2人はすぐさま大人しくなった。
そのとき、ノックの音がした。
空亜と子悪魔は急いで人間の姿になった。
「はーい・・・あら、雪男さん!」
「今日の授業のまとめのプリント、教室に忘れてたので、届けに来ました。」
「あっ、わざわざすみません!私としたことが・・・」
「いえ、いいんですよ。」
「あ、そうだ!私・・・料理多く作りすぎちゃったので、よかったらあとで届けに行きますね」
「あぁ、ありがとうございます。」
「いえいえ。お口に合うかはわかりませんけど・・・」
「・・・いえ、大丈夫ですよ。ではまた後で」
「はい。」
ぱたん、とドアを閉めて、空亜は変身を解いた。
「・・・ふぅ。」
プリントを机の上において、空亜は料理を再開した。
「・・・そう言えば山田さんって女なのかな、男なのかな・・・」
「女っぽい気がするようなー。」
「何言ってんのさ、男でしょ?」
「えー、絶対女だって!」
「男!」
「じゃあ賭ける!?」
「あぁ、いいともさ!!」
「負けたほうは、小悪魔53(料理が超下手)の料理一気食いだかんな!」
「ぐ・・・あ、あぁ!!」
「・・・はぁ・・・」
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