君が流したユメナミダ。


新しい出会い


次の日、塾に行くと、
可愛らくて、凛々しい顔立ちの女の子が2人、教室近くの廊下でうろちょろしていた。



「ねぇ・・・ここ?」
「ここであってると思うんだけど・・・」
「誰かに聞いてみる?」
「でも・・・」
「もう!バカバカバカ!もう一つおまけにバカ!スカポンタン!可愛く言えばアンポンタン!」
「Σひどーい!」
「もう、誰かに聞くしかないんじゃない?あんたを信用した私がバカだったわ」
「えーん!」
「はぁ・・・」
「あの、どうかしたんですか?」

私は、うろちょろしていた2人に声をかけた。
2人は私を見て、一瞬びっくりすると、振り向いてこそこそと何かを話した。
そして、話がまとまったのか、2人は振り返ってこう言った。

「あっ、あの、祓魔塾の方ですよね?」
「私たち、今日から入るんですけど、塾の場所がよくわからないんです。」
「そうなんですか!じゃあ、私と一緒に行きませんか?」
「ありがとうございます!あの、私・・・「映李(えいり)」と言います!」
「私は「紫乃(しきの)」です。よろしくお願いします!」
「「映李」に「紫乃」さんですね。よろしく。」

そして私は、2人を案内した。
いろんなことを話したりして、すぐに私と2人は仲良くなった。

そして授業が終わり・・・


「ふぃー、帰ってケーキつまもー。」
「あっ、あの・・・空亜さん、でしたよね?ちょっといいですか?」
「あ、はい。どうかしたんですか?映李さん。」
「旧男子寮って、どこにあるんですか?」
「へ?」
「あ・・・私たち、そこに住むんです。」
「そうなんですか・・・。私もそこの五〇五号室に住んでいますから、一緒に行きませんか?」
「ありがとうございます!私たちは二〇二に住むんです!よろしくお願いします!」
「こちらこそ。」


そして時はすぐに過ぎ・・・

気づけば夜になっていた。


「今日も一日頑張りました!新しい友達も出来たし・・・」

でもあの2人、映姫様と紫様に似てたような・・・?

「気のせい、ですよね。」

そう呟き、私は眠りにつくことにした。


次の日。

休みだというのに急に理事長室に呼び出された私は、
駆け足で急いで理事長室に行った。

「・・・御用は、何でしょうか」
「ちょっとおつかいを頼みたいんです☆私は仕事が忙しいですから。」
「はぁ・・・(ゲームすることが仕事なのか!?)」

心の中でこんな暴言を吐いたのは内緒です。

で、
メフィストさんによると、「フツマヤ」という店で、必要なものを買って、
ケーキショップでアマイモンさんが頼んだケーキを受け取ってきて欲しい、というものだった。

買い物のメモはもらったし、さぁ行こう!

と、意気込みつつ、借りた鍵を回した。

開けると、雪男さんと燐に出会った。

「あら、雪男さんに燐!」
「蛙隈さん!?」
「空亜!」
「雪男さんたちも買い物ですか?」
「えぇ、そうですが・・・蛙隈さんは?」
「私はメフィストさんに頼まれて・・・。おつかいみたいなものですよ。」
「そうですか。」
「よかったら、一緒に行きませんか?」
「えぇ、よろこんで。」

そして、一緒にフツマヤまで歩いていき、
雪男さんと一緒に店に入った。

「こんにちわ、女将さん」
「こ、こんにちわ!」
「いらっしゃい、奥村の若先生。・・・ん?そちらの女の子は?若先生の彼女かい?」
「ちっ、違います!私は理事長のおつかいで・・・」
「あっはっは、そうかい!」
「(気さくな人でよかった・・・)」
「どれ、メモかなにか貰っているだろう?見せてみな。」
「あっ、はい!これです。」

私は、メフィストさんからもらったメモを渡した。
雪男さんも必要なものを買っていた。

「どれ、C濃度の聖水2ℓに、砂鉄300gね」
「Σ(聖水!?私悪魔だから、もし零れても触れない・・・!!)」

そうドキドキしながら、聖水と砂鉄の入った袋を受け取った。

「大丈夫ですか、蛙隈さん。僕が持っていきましょうか?」

事情を知っている雪男さんが、優しくそういってくれたけど、
迷惑かけれないし・・・

「だ、だだだ、大丈夫です、たぶん!」
「・・・本当に大丈夫ですか?」
「ははは、はいっ!!」

あーもう、本当に悪魔ってつらい。

あれ?メフィストさんも確か悪魔じゃ・・・

ま、いっか。


そして外に出ると、
燐と女の子が楽しそうに話をしていた。

「兄さん!」
「おー、雪男!」
「こ、こんにちわ」

女の子が恥ずかしそうにそう挨拶した。
私は袋に気をつけて、座ってる女の子の目線に合わせて屈んだ。

「・・・初めまして。私、蛙隈空亜って言うんです。貴方の名前は?」
「あ・・・も、杜山しえみ。」
「しえみちゃんかぁ、いい名前ね。」
「あ、あのっ・・・空亜さん」
「空亜でいいですよ。」
「じゃあ、私もしえみでいいです!」
「そっかぁ、じゃあしえみって呼びますね」
「ふふっ、よろしくお願いしますね!」

そう言って、私たちは握手をした。

すると、女将さんが真面目な顔でこう言った。

「しえみ、今日は先生に足を診てもらいな」
「お母さん!?わ、私・・・悪魔になんか!」
「しえみ、念のために見てもらったらいいじゃないですか。」
「空亜・・・」
「失礼。」

そういって、雪男さんがしえみの足を診た。
しえみの足には、根が這っていた。
悪魔図鑑を読み込んだ私には分かる、これは魔障だと。

「これは魔障です、悪魔の仕業に違いありません」

そう、雪男さんが言った。


「しえみ、悪魔は通常、会話で人の心に付け入る隙を作るの。あなた・・・悪魔と会話しなかった?」
「わ・・・私、悪魔と話してなんか・・・」

そのとき、女将さんが大きな声で
しえみを怒鳴った。
しえみは怒って反論したが、すぐにぱたりと倒れてしまった。

「しえみさん!」
「しえみ!」

しえみを蔵のベッドに寝かせて、
私は燐と雪男さんと一緒に歩いた。

途中で燐が居ないのに気がついて、
私たちは蔵に引き返した。

蔵に引き返してみると、燐がしえみを説得していた。

「えーと・・・盛り上がってるところ申し訳ないんですけど・・・」
「そんな雑魚、あっという間に祓えますよ」
「うわぁ!2人とも、いつの間に!?」

私はしえみの手を取り、優しくしえみの頭を撫でた。

「しえみ、足は動くよ。あとはしえみの心次第だったから」
「空亜・・・」

そのとき。

≪約束をやぶる気・・・?≫

悪魔の声らしきものが聞こえてきた。

「ひ!?」

≪ゆるさない・・・!!≫

とたんに、しえみの足の根が大きくなっていく。
そして、悪魔が姿を現した。

≪あたしたちは一生一緒・・・一生この庭で生きていくのよ・・・きゃはははははは!!!!!!≫

「完全に彼女を盾に取られた・・・兄さん、蛙隈さん、少し手を貸してくれないか?」
「しょーがない弟だなぁ〜?」
「しょーがない先生ですね〜っ?」
「(・・・やれやれ)」

私はロザリオスピンドルを出し、
燐は剣を抜いた。

「とりあえず、2人は僕のすることに一切干渉せず、あいつの相手をしてくれ!」
「「わかった!」」

≪2人なんて卑怯よ!!≫

「あんたこそ、しえみを盾にして・・・!」

ロザリオで締め付けようとしても、しえみが巻き添えになるし、
ロザリオを絡めようとしても、すばしっこいし・・・

「くっ・・・」
「どーすんだよ、先生!!」


「仕方がない・・・こうなったら彼女ごと撃つしかない」
「!?」
「え!?」

そう言って、雪男さんは銃を撃った。
その瞬間、山魅はしえみから離れて、燐に切られた。

「雪男!」
「雪男さん!」

雪男さんは、落ちて来たしえみを抱きとめた。

そのあと、しえみは目を覚ました。

「よかった。足の根も消えている。・・・もう立てるはずですよ」
「しえみ!」

そのとき、女将さんがそう叫んだ。

「行けよ、ホラ!」
「きゃっ」
「サクッと謝っちゃいなさい。」
「空亜・・・。」
「今いっとかねーと、本当に後悔すんぞ?」

そして、しえみと女将さんは仲直りした。
それを見た私は、何かスイッチでも入ったように、昔の記憶が流れた。









・・・おかあさん!!

空亜、私はもう年老いてしまったわ。
もう小悪魔を率いていけない・・・

だめ、おかあさんはずっとくうあのおかあさん!

だめよ、これは掟・・・
さぁ、私を殺しなさい。貴方に殺されるなら本望よ

だめ!だめだめ!!

あなたが殺してくれないなら、こちらから行くわよ!!


そう言うと、母親は空亜を容赦なく爪で傷付けた。


うわあああああああああああああ!!!!!


空亜は叫ぶと、長く鋭い爪を
母親の胸に向かって突き刺した。


これで、いいわ・・・

おかあさん・・・おかあさんっ!!








「(いいな、人間は。)」


ほろりと流れた涙を、隠すように空亜は荒く袖で拭いた。

そして空亜は、ケーキショップに寄って、メフィストに頼まれたものを渡して、
寮に帰った。


次の日。

新しい塾生として、しえみが塾に来た。

「しえみ!」
「空亜、燐!これからよろしくね!」
「ああ」
「よろしく!」

そういって、私たちは笑いあった。


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